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コロナ対策の万全な劇場って?

東京も感染者数が大変な事になっていますが、久しぶりに劇場に行きたい欲が高まってきました。
関東で比較的大丈夫そうな所って、どこですかね〜?

[HOME] 投稿日 12月19日(土)16時05分 投稿者 お久しぶりの人   削除


「更生」レポ 

2019年11月19日(火)池袋シアターグリーン BOX in BOX THEATER に行って
「女囚175
part2 更生」という芝居(11/19〜24)の初日を見てきました。女優陣・男優陣・スタッフ皆のこの劇にかける思いが伝わってくるような、深く
て暖かい芝居になっていました。
フライヤーによると
「…この舞台は昨年、女子刑務所の実態と覚醒剤中毒の実態を描き、ショッキングな話題を呼んだ、
<女囚175〜覚せい剤取締法違反 懲役4年>の完結編である。
満期出所した日から現在に至るまで残りの人生をかけ、数々の困難を克服し遂に社会的に更生を果たした女性の波乱に
満ちた物語です」とのこと。私は昨年は見ていないのですが、実話を元にしたお話だそうです。
「女囚」と聞くと梶芽衣子さん主演の映画「女囚701号
さそり」(昭和47年東映、のちシリーズ化)を思い出します。芝居はそれと直接の関係はありませんが、それらを大きく包み込んだ「アンサーソング」のよ
うな気もします。以下ごく簡単に。

JR池袋駅の東口を出て7〜8分歩いて劇場に到着。ロビーは人でいっぱいです。少し待って開場。運良く1列目に座れました。
舞台は現代的な明るくシンプルな造り。まもなく満席になったようです。
開演予定の19時を10分ほど過ぎて、特にアナウンスはなく、始まります。
「ここへは2度と来ないように」事務的でやや高圧的な男の声が流れます。
「お世話になりました」と若い女の声。
そして舞台に、
地味な服装で化粧っけの全くない女性が出てきます。出所したばかりの主人公吉野圭子(小室友里)。まだ塀の外の世界になれない様子。そんなふうにして始
まります。
以下、覚えていることだけ断片的に。

就職しようとして面接を受けても、前科者とわかると「もう来ないで!」ガチャン。
やむなく知り合いのツテで、ある男の愛人ゆみ(朱魅)の家にいそうろう。
ゆみは衣装は派手で気位は高いがなぜか憎めないキャラ。朱魅さんのはまり役ですね。
そしてゆみが出掛けて圭子一人の時に男がやってきてレイプされそうになったり。

その後、別の知り合いの紹介でクラブのチーママとして雇われます。お化粧して急にきれいに。しかし人気が出たのが災いして、そこの和美ママ(坂本久子)
の嫉妬を買って、泥棒のぬれぎぬを着せられてだったか、追い出されます。
坂本さん、誰もが多かれ少なかれ持っている心の狭さを好演。
そしてアルバイトの2人の女の子(久山彩、村瀬真衣)は圭子についてきます。
この2人の女の子はいかにも現代っ娘で、少しづつ天然が入っているが、圭子を慕っているのが伝わってきて、なんか可愛い。
この後も圭子の苦難は続きます。
何かで警察に行くことになったら、最初は丁寧な応対だったのが、ここでも前科者であることがわかると署員の態度が一変、「おまえ」と呼ばれるようになっ
たり。あるいは健康を害したり、などなど。
しかし重要なのはこれらの苦労話にあるのではなく、その後の更生の物語です。

人生どん詰まりの所に来て、さまざまな人の縁がつながって出会いがあります。このあたり、わかりにくいこともあるのですが、
圭子はあるカウンセリングを受けることになります。そこの先生たちとの出会い。
良い話がいっぱいあったのですが、覚えているのは
「真剣と深刻とは違う、真剣に生きている人は深刻な顔はしない。むしろ明るいんだ」
そのようにして、ここからが更生の始まり。やがて相談する人から相談される人に。
そのあと監修の竹田淳子さんが講師の役で登場。おだやかな笑顔の女性です。 
「人はだれでもやり直しができます。この私がそうだったから」というお話だったと思います。
さっきまで悪役だった人たちも受講生の役で謹聴しています。
(このへんになってくると芝居と現実の区別がつかなくなってきます)
そして、受講生の一人である圭子に、竹田さんから卒業証書がわりに口紅が渡されます。女性らしい心づかいですね。そしてやさしくハグ。拍手。美しい場面
です。
エンディングに流れる「いのちの理由」(私が生まれてきたわけは…)がいつまでも耳に残りました。

そしてカーテンコール。一人づつご挨拶。最後に竹田さんが締めのご挨拶。
お伝えしたかったことは私の半生を見て下さいということではなく、人間はだれでもやり直しができる、ということです。
(そして、名前は出しませんでしたが、沢○エリカさんのニュースに触れて)
ぜひ更生していただきたいと思います、と励ましのメッセージを送っていました。
そんなふうにして暖かくもりあがって終わりました。

なおこの芝居が映画化されるとのこと。完成が楽しみです。
以上は個人の感想です。勘違い・記憶違いも多いと思います。m(_ _)m

[HOME] 投稿日 11月29日(金)03時52分 投稿者 行った人   削除


「浅草艶絵巻 10月公演(後)」レポ 

2019年10月25日(金)浅草リトルシアターに行って今月の艶絵巻後半(10/23〜26)の楽前を見てきました。
今回は出演者4人のうち2人が新人さんで、いつものように山口六平氏の前説に続いて始まります。以下、簡単に。

1Dance review「momizi」内田みる
前説では、特に紅葉に因んだというわけではありません、とのこと。
1曲目、初出演の内田みるさん〜フロアーダンサーさんだそうです〜両手で白い布をささげ持って目から下をかくすようにして神秘的に踊ります。和と洋、か
すかにアラビアンがまざったような。
2曲目で白い布を取ると、赤い着物ドレス。そして妖艶に情熱的に踊ります。いかにも秋まっ盛りって感じです。
いったん引っ込み
3曲目では黒のハイレグ衣装で再登場。軽快な曲に乗って笑顔でセクシーに踊ります。
特にストーリー性はなく〜あるとすれば女・3態というところでしょうか。
そんなふうにトップステージを飾ってくれました。拍手。

2「SUZAKU」脚本・演出・出演:美里流李(みさとるり)
芥川の「六の宮の姫君」より、流李さん一人二役です。タイトルは物語後半の舞台となった平安京の朱雀門(すざくもん)から。
(注)「六の宮の姫君」:芥川龍之介(1892〜1927)の短編小説。「今昔物語」に材を取り、没落していく貴族の娘とその乳母を当時の仏教思想をか
らめて描く。
照明がつくと流李さん白っぽい着物姿で登場。「これからお話しするのは、私がお仕えした六の宮の姫君の、悲しいご生涯でございます」と言ってささっと
引っ込みます。
すぐ(淡いピンクか萌葱色か)打ち掛けをはおって再登場。夢見るような顔で。
「あたしはここの姫、この家でお父上お母上といつまでもいっしょにくらしたい」幼女のように狂女のように言います。
そんなふうに乳母と姫が交互に現れて物語は進んでいきますが、流李さんみごとに演じ分けています。
後はほぼ小説に沿った展開ですが、後半はちょっとむずかしくなっていきます。
姫は運命に流されたままだったのか、最期に反逆したのか、あるいは作者の意図は全く別なところにあるのか。そのわかりにくさを、わかりにくいまま流李さ
ん全力で舞台にぶつけてくれました。拍手。

3「The life of others」脚本:山口六平。出演:初咲里奈・森健太郎
先月の再演です。が、格段に進化。この息の合ったお二人の芝居が今回限りというのは寂しいですね。
リベルタ○ゴが流れ、刑事(森)が登場。そして「早く来い!」と下手に向かって呼ぶと、ふてくされて出てきた不良少女(?)の向井鏡子(初咲)。銀白色
の髪に赤いタンクトップに白いショールに黒いミニスカに赤いストッキングに赤いハイヒール、だったか。ど派手だが似合っています。そしてここからの二人
のやりとりが何度見ても可笑しい。「すわれ」「うるせーな」里奈ちゃんのドスのきいたアネゴ口調にしびれますね。そして二人、言い争っているうちに、次
第に友情のようなものが生まれてきます。この後はSF的な展開になりますが、人間とは何か、自分とは何かを、改めて考えさせられます。
この演目は今回がラストということですが、「The eternal life」から続いてきたシリーズ、また新たな形で見られることを期待しています。
そのあと再びリベル○ンゴが流れ、初咲さんダンスになります。
キレのいい動き、神経のはりつめられた指先、そして視線。すごく大人に見えてきます。拍手。

4「カワヒメ」脚本:山口六平。出演:永瀬ゆら・山口六平
カワヒメ(川姫)とは高知県に栖息する美女の妖怪で、川辺に棲み、通りかかった男を誘惑しその精気を吸い取るという。
前説では、この演目はカワヒメ伝説に、20年前のノストラダ○スの予言騒ぎを混ぜた、1999年末の物語だとか。
荘重な音楽が流れ、照明がつくと初出演の永瀬ゆらさんSF時代劇のような黒い衣装で白いハチマキをして立っています。カワヒメ族の長のようです。漂う終
末感。そのあと部下の男(山口)が出てきて、人間は愚かで救いようがないとか、話しています。
ストーリーはよくわからなかったですが、風刺がたくさんあったようです。そして
2000年を迎えたけれども何も起こらない。そのあと2人のコミカルなからみ。
とにかくお二人熱演でした。 
そのあと永瀬さんの踊りになります。
コートを脱ぐと、昔の武士のように体に白いサラシを巻いています。そのサラシの一端をかぶりのお客の一人に持たせ、くるくるくる…男装美女のちょっと危
険なエロス。そんなふうにして踊りが終わります。拍手。

そのあとカーテンコール。メンバー紹介。それぞれに拍手。
今回も告知があって
内田さんは新宿でロックのライブ、
美里さんは上野でチェーホフの芝居、だそうです(詳細失念)
初咲さんは11月3日に神田明神でライブ、11月13〜17お芝居
永瀬さんは11月11〜20日、A級小倉に出演。
(後半のお二人はツイッター等で確認済み)
そしてモリケンこと森健太郎さんは明日が艶絵巻ラストステージ。
なお艶絵巻は今年は今回で終わり、次回は来年1月になるそうです。

[HOME] 投稿日 10月30日(水)13時05分 投稿者 行った人   削除


「浅草艶絵巻 10月公演(前)」レポ 

2019年10月16日(水)浅草リトルシアターに行って今月の艶絵巻前半(10/16〜19)の初日を
見てきました。おなじみ4人の女優陣が新作・再演含めて、全く違った4人の女の人生を演じてくれました。以下、簡単に。

1「卒塔婆小町」山口六平脚本。出演:美樹うらら・森健太郎
以前(2016年6月7月など)朱魅さん主演で演じられたものを演出を変えて再演です。
往年のジャズが気だるく流れ、赤い照明。その中を赤いドレスの女(美樹)が登場。妖艶な身のこなしで
「男なんて愚かな生き物。男はみんな私のとりこ、だった…」と語っていきます。
老婆となった小野小町、なのですが、老婆メークではなく、ふだんの顔で洋装で演じています。
そして深草の少将の思い出を語り、自分も長く生きすぎた、と。
少しすると顔を白く塗った変てこな男(森)が登場します。ゾンビのようなキョンシーのような、ジョーカーのようなドジョウスクイのような。冥土から現れ
た深草の少将だとか。
そんなふうにコミカルに展開。芝居が済むと「BRAND NEW D○Y」
が流れ、うららさんセクシーにダンス。日舞のイメージの強い人ですが、洋舞もやってくれますね。

2「No title」出演:黒井ひとみ
脚本を書くのが間に合わなかったとかで、予定変更。独り語りだそうです。
金髪ヘアに、淡いブラウンのワンピだったか、ひとみちゃん笑顔でかわいく登場すると、客席に向かって
「今日はお芝居ではなく小話〜ストリップ小話というのをさせていただきます…」と言って語り始めます。
デラカブ(新宿DX歌舞伎町のこと。今年6月に閉館)に乗っていた時〜あの劇場は楽屋が地下にあってじめじめしていて居心地が悪かったので〜出番が来る
まで近くの喫茶店に行って、写真にサインを書いていたら「あんた踊り子さん?」と声をかけられた。振り向くとサングラスをかけた老女で、自分も昔は踊り
子だったと。そんな風に語っていきます。
ちょっとミステリアスで、ちょっとアブナくて、そしてちょっとハートウォーミングな物語。
本当にあったことなのか、全くの作り話なのか…
語り終わるとサングラスをかけて、ちょっとシュールにダンス。いつになく大人の雰囲気で。

3「夜を巡る女〜八千代の海(港町の愛ちゃん)」脚本・演出・出演:牧瀬茜
以前やった演目の再演、ということですが私はお初でした。
茜さん黒地(紺色地?)に花か蝶を散らした模様のワンピで、にこやかな笑顔で裸足で登場。
静かに語り始めます。
日本のとある港町のバーで働く「私」(=愛ちゃん)と、人の好い漁船員のナカちゃんの物語。
ドラマや歌謡曲で、見たこと聞いたことあるような世界ですが、
独特の話術(とは思えないほどの自然な語り)で引き込まれていきます。
劇中で茜さん「あなたは今日から海に出る…」とアカペラで歌います。(八○代の詩(うた))
見たこと聞いたことあるようなささいな事ばかりですが、それらをつづりあわせて一編のちょっと切ないラブストーリーを編み出しているのはさすが茜さん。
理屈ぬきで感傷に浸るのもまたよし、って感じですね。

4「杉村サダメ」山口六平脚本。出演:朱魅・森健太郎・山口六平
先月の再演です。ストーリーは先月のとおりですが、格段に進歩。演劇空間の密度が違います。
サダメ(朱魅)が拘置所の庭で、セミの死骸を拾い集めたり汗をふいたりしている時のさりげない仕種。
教誨師(森)や、冤罪で拘留されている男性(森)と話している時の、太陽のような笑顔。
こんな良い人が、なぜ?と思わせるのにじゅうぶんサダメになりきっていました。
心の広さというか、天然というか、おおらかさというか、
いろんな人に人生相談をもちかけられるのもわかるような気がします。
3景で男2人、互いに目を合わさず、黙ってただ立っているだけの、この無言の数秒。
そして免田事件に代表される冤罪のこわさ(冤の中に免が入っている皮肉)。
ラストは「川の流れの…」に乗って朱魅さんおだやかな笑顔で踊ります。
セクシーさはあえて出さず、笑顔で暖かかく。

終わるとカーテンコール。出演者全員集合、そしてメンバー紹介。それぞれに拍手。
今回は物販や告知があって
美樹うららさんはご自身のステージのDVD「美樹うらら二十一周年記念〜夢色恋花火〜」(3000円)。
牧瀬茜さんは作品の多い人ですが、最新のもので詩集「うみにかえりたい」(1500円)。
朱魅さんは出演するお芝居「女囚175 part2
更生」(昨年、女子刑務所の実態と覚醒剤中毒の実態を描き話題を呼んだ「女囚175」の完結編/11月19〜24日@池袋シアターグリーン/前売り
5000円、当日5500円)。
黒井ひとみさんは10月21〜30日、渋谷の道頓堀劇場に出演。なお
モリケンこと森健太郎さんは今月をもって艶絵巻を卒業だとか。森さんは澄ましていれば2枚目で通る所、あえていじられキャラで艶絵巻の女優陣の魅力を大
いに引き出してくれました。新しい世界でのご活躍を祈ります。

[HOME] 投稿日 10月30日(水)13時03分 投稿者 行った人   削除


 「浅草艶絵巻 9月公演(後)」レポ 

2019年9月18日(水)浅草リトルシアターに行って今月の艶絵巻後半(9/18〜21)の初日を見てきました。
毎月後半は、わりあい新しく参加した人が担当するようですが、新人ながら表現力のある3人、それぞれ艶やかにパフォーマンスを展開してくれました。以
下、簡単に。

1「淪落(りんらく)」林芙美子原作。出演:川合瑞恵
一昨年3月・5月に灯月いつかさんに、今年4月・5月にOtokiさんに演じられた作品に川合瑞恵さんがチャレンジ。
もはやストーリーは追いませんが、同じ演目でも演者によって違う良さがあると改めて感じました。
(終戦直後を思わせる)リンゴの歌が流れ、照明がつくと瑞恵さん下着の上に軽いものを羽織って裸足で登場。持ってきた手提げを小さなテーブルの上に置
き、化粧道具を取り出しながら
「私ね、家の人にないしょで東京へ出てきたんだ」と語り始めます。以下、原作に沿った独白ですが、表情や仕種がうまいですね。お化粧をしながら出会った
男たちとのあれこれを語っていきます。そして
男に乱暴される時の、苦悶の表情ながらほとんど抵抗しない所。悪阻(つわり)の時か下手にささっと駆けていって口をおさえてゲホッ、ゲホッとやる仕種。
などなど演技とは思えない程でした。
お化粧は完成。そして赤い(オレンジ色?)ダンサー衣裳を着てダンスになりますが、あえてセクシーさは出さず、おだやかな笑顔で、体をいたわるように踊
ります。
いったん暗転、そのあと再会した男とのやりとり。ちょっと希望の持てるようなラストに。

2「The life of others」山口六平脚本。出演:初咲里奈、森健太郎
リベルタ○ゴが流れ、照明がつくと舞台に、鳥打ち帽にサングラス、くたびれた服の男(森)が立っています。
いかにもチンピラに変装した刑事。そして下手に向かって「おい、早く来い!」と怒鳴ります。
出てきたのは派手な衣装の女(初咲)。脱色した髪に白い毛皮のコート(ショールだった?)赤い唇、
黒いタイトミニ、そして赤いストッキングに赤いハイヒール。この派手な衣装が意外に似合っています。そして
女「これ外せよ!痛いんだよ」と手首にかけられた手錠を見せます。万引か援交でもしたか。かなり気が強いようです。しばらく2人の言い合いが続きます
が、里奈さんの演技が小気味良いですね。結局、手錠を外してもらい椅子に掛けます。そして取り調べになっていくのですが…
来月も上演されるようなので是非、生でごらん下さい(^^)
ラスト近くになって、男「お前はどこから来たんだ」女「しいて言えば、あの世かな」
これは4月・7月の「The eternal
life」を見た人にはピンと来るのですが、消去されたはずの未来少女ミクの意識が、ちょっと性格を変えて「ムカイキョウコ」に舞い戻ってきたのでは。
だとすると、嬉しい。いったん暗転。
再びリベル○ンゴが流れ、里奈さんダンスになります。すっかりエレガントに、大人の雰囲気で。

3ダンスセクション「十五夜 月光に舞う」出演:加瀬あゆむ
照明がつくと舞台下手に紅葉の小枝を挿した花瓶、横に月見だんご。そして曲が流れ
加瀬さん青地に紅葉を散らせた着物で片手に紅葉の小枝を持ってあでやかに舞います。秋の女神、竜田姫のように。
1・2曲踊ると、帯を解いて上を脱いで襦袢姿になったと思います。
照明は少し暗くなって、舞台を照らす1本のスポットライトを月光に見立てているようです。
女はしばし月を見上げて物思う風情。と、
お供えの月見だんごを1つ摘(つま)jんで、モグモグ。
この、ちょっとお行儀の悪いところがかえって踊りの美しさをきわだたせます。
完璧なものは、その完璧を少しくずさなきゃいけないとか。
そして後半、薄い衣1枚まとってダンス、ベッドショー。ポーズが決まると、艶絵巻では珍しいことですが、拍手が起こります。そんなふうにしてダンスセク
ションが終わると、改めて拍手。

引き続きカーテンコール、メンバー紹介になります。みんな良い笑顔です。拍手・手拍子。
そんなふうにして終わりました。劇場を出たのは午後8時45分ころ。いつもより、早いです。

なお艶絵巻、10月は前半10/16〜19が
夜を巡る女(牧瀬茜)・卒塔婆小町(美樹うらら)・一人芝居新作(黒いひとみ)・杉村サダメ(朱魅)with cast 山口六平 森健太郎、
後半10/23〜26が
カワヒメ(永瀬ゆら)・芥川龍之介原作 SU・ZA・KU(美里流李)・dance review Momizi(内田みる)・
The life of others(初咲里奈)with cast 山口六平  森健太郎 だそうです。

[HOME] 投稿日 9月24日(火)05時57分 投稿者 行った人   削除


「浅草艶絵巻 9月公演(前)」レポ 

2019年9月11日(水)浅草リトルシアターに行って今月の艶絵巻前半(9/11〜14)の初日を見てきました。
今回は新作を含む3作品で、それぞれが深い。読書の秋、芸術の秋、じっくり人生を考えたくなる一時でした、以下、簡単に。

1「明烏(あけがらす)」藤沢周平原作。出演:水月涼、山口六平
「江戸おんな絵姿十二景」第9話「明烏」を朗読劇にしたもので、2017年11月に美樹うららさん、2018年1月に黒崎優さん主演で演じられた演目
に、朗読は初めてという水月涼さんがチャレンジ。ということでしたが、中々どうして堂々とした花魁(おいらん)ぶりでした。
三味の音が流れ、照明がつくと舞台上手に水月涼さん青を基調とした花魁衣装で、下手に山口六平さんグレーの作務衣だったかで、並んで腰掛けています。そ
して二人交互に朗読していきますが、芝居とはまた違った味わいがあります。
分不相応な吉原遊びをしたため家屋敷が人手に渡ることになった雪駄(せった)屋の新兵衛と、相方の花魁 播磨との会話。
後悔など少しもしていない、と言い切る男。
大勢のファンの一人にすぎない男にドラマがあったことに今更のように衝撃を受ける女。
2人の語りが、粋です。 
新内(しんない)節「明烏夢泡雪」(浦里・時次郎の物語)や、それをパロディーにした落語「明烏」を意識しての
小説そして朗読劇ですが、同様のことはいつの世にもあったろうし、これからもあることでしょう。
「春風の、眠ればそよと起こされて、乱れそめにし浦里は…新内の声は「明烏」だった…」
そのあと涼さんの踊りになります。艶やかに、凛として。

2「如実知自心」鈴木ちさ脚本。出演:黒崎優・森健太郎・鈴木ちさ
昨年9月にちささんご本人主演で演じられたものの演出を変えて再演です。
一番の違いは前回登場した男性の僧侶が、今回は尼僧になったこと。
さて物語は現代の若い夫婦〜トシとマイと言ったかしら〜の会話から始まります。
休みの日は朝ごはんはパンが良いとか、やさしい夫(森)と、かわいい妻(黒崎)。そして愛犬サスケ。
日常的な、あまりに日常的な光景。絵に描いたような、しあわせ。
玄関のチャイムが鳴ります。
尼僧(鈴木)が登場。トシの姉で寺の住職をしているとか。
そしてトシが席をはずした時に
「マイちゃん、今日はあなたにお話があって来たの」
物語は急展開。心理劇かSFか…怖いくらい、深くなります。
如実知自心〜ありのままに受け入れる。タイトルの意味が次第にわかってきます。そしてラストに希望が。
それにしてもちささん、尼さん姿が似合っていますね。

3「杉村サダメ」山口六平脚本。出演:朱魅・森健太郎・山口六平
(注)杉村サダメ(1911〜1970)戦後、ホテル日本閣殺人事件の小林カウに次いで2番目に死刑になった女性。艶絵巻の妖婦シリーズの新たなメン
バーですが今までの夜嵐おきぬ、高橋お伝、阿部定、小林カウの誰とも違っています。拘置所で仏門に入り、その人柄が他の受刑者や看守たちからも慕われ
様々な身の上相談まで引き受けるようになっていったとか。冤罪で有名な免田栄氏の手記にも彼女に会ったことが書かれているとか。

1景 サダメ(朱魅)と教誨(きょうかい)師(森)
拘置所の庭でゴミ拾いをしているサダメ。そこに教誨師が現れ、会ってほしい人がいると話します。
2景 サダメと死刑囚の男(山口)
冤罪を訴え再審請求したが却下され自暴自棄になった男だが、しだいにサダメに心を開いていきます。
そして面会時間の終了間際、また会ってほしいと頼みます。笑顔で了承するサダメ。
3景 男2人の静かな会話。
その後、自然な流れで朱魅さんおだやかな笑顔で再登場、そして「川の流れのよ○に」に乗ってダンスショーになっていきます。もう、超えているって感じで
すね。

引き続きカーテンコール、メンバー紹介になります。拍手・手拍子。
そんなふうにして終わりました。劇場を出たのは午後9時少し過ぎ。

[HOME] 投稿日 9月23日(月)17時31分 投稿者 行った人   削除


 「浅草艶絵巻 8月公演」レポ 

2019年8月14日(水)浅草リトルシアターに行って今月の艶絵巻(8/14〜17)の初日を見てきました。
初登場のKuko(くこ)さんが加わり個性豊かな4人、真夏の夜を艶やかに彩ってくれました、以下、簡単に。

1「戦争と一人の女」坂口安吾原作。出演:Otoki
終戦の日の週にふさわしい演目です。
空襲警報のサイレンの音、赤いライト、その中に立つ白い服の女。
何回か見た演目ですが、これまでと全く違った印象です。女の姿が
戦争資料館のろう人形のように見えてきます。しかし、その台詞は
昨今のステレオタイプ化されたマスコミの論調とは全く違っています。
そして赤いライトの時は戦争(空襲)の時、
白いライトの時は自身の性と愛について、それぞれいい子ぶらない生の声を
ぶつけてきます。やがて月光を表すような淡い緑のライトの下で、
「男の覚悟というものが、こんなに可愛いものだとは」と静かに語ります。
今の日本に、こんな「可愛い」男がはたして存在するのか…

2「O・YU・KI」永井荷風原作。脚本・演出・出演:美里流李(みさとるり)
流李さん3月以来の出演です。今回は「濹東綺譚」(ぼくとうきだん)を、時代を戦後に移し、お雪の視点から描きます。
(注)「濹東綺譚」(昭和12年刊)永井荷風の小説。荷風の分身と思われる作家と、東京・向島の
玉の井の娼婦お雪との出会いと別れを描いたもの。

照明がつくと流李さん粋な着物姿で登場。独り芝居になっていきますが、
当時の玉の井の女らしい語り口調、身のこなしなどがリアルに表現され、観客は荷風の世界に引き込まれていきます。
知り合いの誰々さんが、誰かと駆け落ちしたとかしないとか…
でも一人ぐらい幸せになってほしいじゃないですか…
友だちのことを語りながら、お雪は自分のことを言いたい、のが伝わってきます。
ラストは「先生、私たちのこと書いてよ」と言い、踊りになります。

3「キリギリス」太宰治原作。出演:Kuko。 
文芸作品が続きます。照明がつくと初出演のKukoさん、洋装で舞台中央に立っています。そして
「女というものは業の深いものでございます…」と言って
すぐダンスになります。長身を生かした切れの良い、独特のリズム感くねくね感のダンス。
やがて浴衣姿になって舞台に正座すると、
「お別れ致します」
以下、原作「きりぎりす」に沿った独白。
売れない孤高の画家だと思って結婚したのが売れてすっかり俗物になってしまった亭主に愛想を
つかして出ていく妻。これも太宰でないと書けない話ですね。
語り終わると、コオロギ(昔はキリギリスと言ったらしい)の鳴く声。暗転。
これで終わりかと思っていると、照明がついて
Kukoさん浴衣姿でギターの弾き語り。迫力のボーカル。なかなか多才な人ですね。

4「妖婦お定」出演:朱魅、森健太郎
今年1月の再演ですが、夜嵐おきぬ、高橋お伝、ホテル日本閣殺人事件の小林カウ、来月は杉村サダメと、朱魅さんの妖婦シリーズますます磨きがかかってい
ます。が、妖婦を単に妖婦ととらえるのではなく、実はどんな女性も持っている怖さ可愛さエロさを犯罪史上の人物を通して描き出しています。時にシリアス
に、時にコミカルに。
さて物語は戦後まもなくの浅草。あの(2・26事件の年の)阿部定事件を芝居にしようとしている作家の長田幹彦(森)と、
主人公役に抜擢された阿部定自身(朱魅)との会話。
コミカルな中に、芸能論・性愛論が展開されていきます。
芝居の後は朱魅さん宇崎○童の「紅○」に乗ってしっとり踊ります。

なお艶絵巻、9月は前半9/11〜14が
明烏(水月涼)・如実知自心(黒崎優)・杉村サダメ(朱魅)with cast 山口六平 鈴木ちさ 森健太郎、
後半9/18〜21が
十五夜 月光に舞う(加瀬あゆむ)・淪落(川合瑞恵)・The life of others(初咲里奈)with cast 森健太郎
だそうです。
また8月24日(土)・25日(日)には同じく浅草リトルシアターで
「浅草幻想vol.1〜夏の終わりの蟲のこゑ〜」として、艶絵巻の作品〜春琴抄(坂内琴音・早見蛍)・戦争と一人の女(つちやまい)・The
eternal
life(坂内琴音・早見蛍)・ホテル日本閣殺人事件(光子・つちやまい・森健太郎・山口六平)〜を別の切り口で上演されるようで、これも面白そうで
す。

[HOME] 投稿日 8月18日(日)12時48分 投稿者 行った人   削除


「浅草艶絵巻 7月公演(後)」レポ 

2019年7月25日(木)浅草リトルシアターに行って艶絵巻の今月後半(7/24〜27)の二日目を見てきました。今週は艶絵巻ではわりあい最近参加
の女優陣ですが、それぞれ個性があって表現力があって艶やかな4作品になっていました。以下簡単に。

1「The eternal life」脚本:山口六平。出演:初咲里奈、森健太郎。
4月の再演ですが、新しい演出が加わって更に艶やかに。
軽快な音楽が流れ、照明がつくと未来少女の未来(ミク/初咲)が黒いジャンパーに赤いミニスカで、椅子に掛けています。すぐ白い衣裳のドクター(森)が
陽気に登場「ミクさんおはよう」「あ、先生おはようございます」そして診察が始まります。
ドクターがいろいろなものを挙げて、興味があればYes、なければNo。  
美しい自然とか、宇宙の神秘とか、花やワインにはミクは「Yes」と答えていきます。でも男性には「No」
そして音楽やダンスには「Yes」
ド「Shall we dance?」ミ「Yes!」2人でダンスになります。往年のミュージカル映画みたいな切れの良いステップ。
このあと好きな動物のものまでまであって、ペンギンとかカピバラとか(笑)
診察の結果が出ます。ミクの希望〜意識を完全に消去すること〜はかなえられることに。そしてヘヴィメタルというのか、重厚な音楽に乗って最期のダンス
に。  
およそ人類が作ってきたいかなる哲学も芸術も科学も宗教も、人は死ぬという大前提で出来たものですが、この前提が
崩れたら、人はどうなるのか… 可愛くて可笑しくて、そして深い作品でした。また見たいです。

2「アネラ」黒井ひとみ脚本、演出、出演。
毎回何か仕掛けてくる人で、今回はどう来るか予想がつきません。
無音でスタート、薄暗い室内に地味な服装の少女が後ろ向きで椅子にかけています。そして
質問に一々答えているようです。独り語りで
「なぜやったか、ですか?みんなが喜ぶからそれが楽しくて。それの何がいけないんですか」などなど。
2景。急に明るくなって、少女の部屋。テーブルにスマホが簡単に取り付けられています。
今はやりのユーチューバーのようです。そしてスマホに向かって笑顔で
「はーいこんばんわー、今日はストレッチを教えましょう」そしてやって見せます。
「これは私のお気に入りの下着です。え、試着してほしい?」そして… 
「みんなひとりHする? しないの? 私はするよ」そして…
玄関のチャイムがけたたましく鳴ります。ドアを開けにいく少女。 やがてパトカーのサイレンの音が。
(あ、そういうことだったのか、とやっと気付きます)
ネットの世界にも表現の自由への規制が少しづつ始まっているような。
なおアネラは少女の名で、ハワイ語で天使のことだそうです。

3「戦争と一人の女」坂口安吾原作:出演:Otoki
艶絵巻では一昨年9月に灯月いつかさんに、昨年5月と今年1月に川合瑞恵さんに演じられたもののOtokiさんバージョンです。
空襲警報のサイレン。赤い照明。
その中で、白い簡素な服の女(Otoki)が裸足で立っています。そして燃える街を見ながら陶然とした顔で
「夜の空襲はすばらしい…」
実際の戦争を体験した作者だからこそ言える言葉なのだと思います。  
女の独白は続きます。東北の田舎から出て来て、女郎として働いていたこと、
その後酒場のマダムになって客の一人と同棲(結婚?)。夫を愛していたが
男遊びはやめられなかったことなど、ほぼ原作通りに進んでいきます。 
破滅的なのかと思うと、自分の家に火がつくと必死でバケツで水をかけたりなど、生への強い執着も。
そんな重いテーマを、時にダンスを入れながら艶絵巻らしくまとめてくれました。
なおこの「戦争と一人の女」は8月も続演(終戦の日を挟む8/14〜17)されるそうです。

4「夏・おどり」ダンスセクションです。出演:加瀬あゆむ。 
この季節の定番曲「湘南で見た葦簾(よしず)の君は…」が流れ、加瀬さんすずしげな浴衣姿で登場。色っぽく踊ります。手拍子。
2曲目はこれも定番「君がいた夏は遠い夢の中…」
歌詞の「浴衣姿がまぶしすぎて…」というところはそのままですね。そのあと
衝立ての裏に回って浴衣を掛けて、そしてお風呂(温泉?)の場面に。
白い腰巻き姿で再登場。手桶で体にお湯をかける場面は本当にお湯が見えるようでした。
その前か後か、簪(かんざし)を抜いて髪をさっとたらす場面には、思わず、ドキッ
現役踊り子時代の作品を15分に編集したものだそうですが、夏らしい艶オーラいっぱいの作品でした。

カーテンコール、メンバー紹介。山口氏「あさって土曜日は隅田川花火大会と重なるのでどうなるかわかりません」(笑)
とにかく盛り上がって終わりました。9時05分。

PS1 天候が懸念された隅田川花火大会(毎年7月最後の土曜日に開催)は予定通り行われ、劇場内にも音が響いてきてかえって良い演出になったそうです。
PS2
後から知ったのですが、7月26日(金)テレビ東京「朝の!さんぽ道」に浅草リトルシアターが紹介されたとか。以前もテレビドラマで浅草リトルシアター
が映ったのを見たことがあります。2014年4〜7月テレビ東京「リバースエッジ大川端探偵社」(オダギリジョー主演)の何回目かに。

[HOME] 投稿日 7月29日(月)10時16分 投稿者 行った人   削除


「浅草艶絵巻 7月公演(前)」レポ 

2019年7月17日(水)浅草リトルシアターに行って艶絵巻の今月前半(7/17〜20)の初日を見てきました。おなじみの女優陣で、4作とも再演で
したが新しい演出が加わったりして更に艶やかになっていました。以下簡単に。

1「恋愛の微醺(びくん)」林芙美子原作。出演:美樹うらら。
今年4月にやったものの再演です。モーツァルトのピアノ協奏曲が流れ、照明がつくと、恋愛クリニックのウララ・ミキ先生が白衣姿でにこやかに登場。「皆
さんは恋をしていますか?」
そして林芙美子の随筆「恋愛の微醺」を教材にしながら恋愛講座になります。現代人にはいささか物足りない気もしますが、あえてそれを選んだのでしょう。
読み終えて本を閉じるとウララ先生、「でも私はどろまみれの恋愛が好き」
と言っていったん引っ込みます。
ここで浜田マ□ンのやさぐれた雰囲気の歌が流れ、ウララ先生再登場。踊りになります。初めは静かに、しだいに大胆な動きに。
白衣の下は黒のタイトミニで、その下の真紅の下着が優等生の心の奥底のエロさを表しているようでした。拍手。

2「疑惑」志賀直哉「范の犯罪」より。出演:黒崎優、森健太郎、山口六平。
2017年8月(黒崎優さん主演)9月(柏木由紀奈さん主演)にやったものの再演です。
中国風な音楽が流れ、照明がつくと黒崎優さんスリットの入ったセクシーな赤いチャイナドレスで可愛く登場。
続いて現れた白い中国服のモリケン氏と、ナイフ投げの場面になります。
1投、2投と投げる男(ふり)、ぎりぎりで受ける女。そして運命の3投目。女は首を押さえて倒れ込みます。暗転。
照明がつくと昔の判事の衣裳を着た山口氏がおごそかに登場。
これが故意か過失か、容疑者(チン・チクリン)に質(ただ)しますが。本人にも解らないとか。
そこへ死んだ妻(インラン)の幽霊が現れ、夫と口論。浮気したとか、してないとか、あんたこそとか…舞台をかけ回って
コミカルに展開。おたおたする判事。このあたりシェークスピアの喜劇を見ているようです。やがて誤解は解けて…
一旦暗転、女性ボーカルで「君恋し」が流れ、黒崎さん羽根扇を持って静かに再登場。
大人の雰囲気で妖艶に舞います。拍手。

3「夜を巡る女」より「マリリンの夢」牧瀬茜脚本・出演。
今年3月(後半)やったものの再演です。
照明がつくと牧瀬さん黒いスリップで裸足で登場。舞台中央に立つと、かすかな笑みをうかべて静かに語り始めます。
色々あって〜これが性愛論にもなっているのですが〜ソープ嬢(源氏名がマリリン)になったこと。そこで出会った大勢のお客。
大きい人、小さい人、なかなか行かない人、年齢を聞きたがる人、中出しを求めてくる人、などなど。それらの
客の対処など、まるで実体験のように語っていきます。終わり際
「私は売られてきたわけではないけれど。でもこの歌が好き」と言って
「星の流れに 身を占って…」とアカペラで歌います。歌いながら踊ります。そして踊り終わると一言
「本当は誰かの腕の中で、朝まで眠ってみたいな」暖かい拍手。
なお牧瀬さん19日・20日は同シリーズの別の作品で5月にやった「傷ついた男」を上演するそうです。

4「品川心中」古典落語より。出演:朱魅、森健太郎、山口六平。
2017年11月にやったものの再演です。
初め山口氏が着物姿で出てきて物語をざっと説明します。江戸時代の品川宿の遊廓、白木屋の板頭(いたがしら/吉原で言う花魁)のお染もかつての人気はな
く紋日(もんぴ/遊女が挨拶回りをする日)に必要な60両の金が工面できない、生き恥をさらすより死んでしまおう、それも心中が良い、相手は誰がいいか

このへんで舞台後ろにお染(朱魅)が登場、なじみ帳を見ながらふさわしい人物を捜します。やっと見つけたのが貸本屋の金蔵。
お染「あの男なら根がバカでスケベで大食らいでヘンタイだから」この台詞、なぜかリアリティーがあります。
そして手紙を書こうと「誰かぁー」ここでPAのことねちゃん紙を持ってきて「人手が足りないので」(笑)拍手。
そしてお染「恋しい恋しい金さんへ…」と書いていきます。書きながら自分で吹き出したり。
さて手紙を受け取った金蔵、すっかり真に受けて有頂天。後はごぞんじの展開。
金蔵役のモリケン氏、赤フンドシ1丁になって大熱演。よっ、日本男児!
芝居のあと、
「会津磐梯山」が流れお染姐さん着物をばっちり決めて再登場。
乗り乗りの舞いで令和を寿(ことほ)いでくれました。拍手。

このあとカーテンコール、メンバー紹介。そのあと山口氏に促されて牧瀬さん「私いよいよ詩人になりまして…」と自作の詩集の紹介。
そんなふうにして盛り上がって終わりました。場内はいつものように出演者と話をするお客たちで混雑しています。
詩集は売れ行き好調。私も1冊(1500円)買って劇場を後にしました。午後9時15分頃。

帰宅後、牧瀬さんの処女詩集「うみにかえりたい」さっそく読んでみました。ほのぼのとしたイラストと相まって
ふしぎな透明感のある詩集になっていました。
〜微視的と巨視的、リアルとファンタスティック、絶望と希望が共存していて。

[HOME] 投稿日 7月22日(月)22時56分 投稿者 行った人   削除


「浅草艶絵巻 6月公演」レポ 

2019年6月12日(水)浅草リトルシアターに行って艶絵巻(6/12〜15)の初日を見てきました。初出場の久我かのんさんが加わった女優陣4人
で、時代も境遇も違った〜そしてそれぞれが可憐で健気な〜4人を演じていました。以下簡単に。

1「ロリータ」山口六平脚本。出演:久我かのん、山口六平。
山口氏の前説(まえせつ)で、ウラジミール・ナボコフの小説「ロリータ」は有名だが、この演目はオリジナル脚本で、未来のレプリカント〜人間以上の能力
を持った人造人間〜を主人公にしたものだと説明。1月のReplicantや4月のEternal
lifeなど、未来ものが艶絵巻の中の1つのジャンルになってきているようです。
重厚な音楽が流れ、照明がつくと青いドレスの少女が椅子に腰掛けています。色白・小顔で身じろぎ一つしません。すでに何やらオーラが漂っています。そこ
へ白衣を着たドクターX(山口)が入ってきて「ロリータ、おはよう」「オハヨウゴザイマス」そして診察が始まります。様々な質問に少女は的確に答えてい
きます。だが普通の患者ではないようです。
次第にこの子はレプリカントで、元の所有者によって破壊されたのをドクターXが修理したのだ、ということがわかってきます。
人間ではないものの視点から見ることによって、かえって人間の心の闇が浮き彫りになっていきます。そして
「アナタモ私ニ恋ヲシテイマス」と言い当てられ、恥ずかしがるドクターX。(このあたり、かすかにピグマリオンが入っているような)深くて、甘美で、考
えさせられる物語でした。
それにしてもかのんさん、初演にしてすでにはまり役ですね。

2「皮膚と心」太宰治原作。出演:Otoki。
3〜4年前、灯月いつかさん主演で3人でやったものを、演出を変えてOtikiさんの一人芝居で再演。
悲愴ソナタが流れ、赤い着物姿のOtokiさん登場。戦後まもなくの、若妻のようです。そして胸にこんなふきでものが出来て…と独白。それがしだいに広
がっていって…と、不安から様々な妄想をしていく様子がほぼ原作通りに進んでいきます。自分のことを「まるでオバケ」と言ったり。深刻な筈なのにどこか
コミカル。 
かと思うと泣いたりわめいたり、優しいご主人に甘えたり。
そしてご主人が病院に連れて行ってくれます。ここでも様々な妄想が。結局、注射1本で直るのですが、
その時のはじけるような笑顔。そして踊りになっていきます。子供のように無邪気に可愛く。

3「風立ちぬ」堀辰雄原作。出演:黒崎優。
3月の再演です。黒崎さんブルー系のワンピで登場。物語をざっと紹介します。昭和10年ころ。夏の軽井沢のサナトリウムを舞台に、作者堀辰雄の分身であ
る「私」と肺結核を病んだ婚約者矢野綾子(作中では節子)の二人の純愛。
説明したあと優さん感想を交えながら朗読していきます。
しだいに弱っていく婚約者と、優しく看病する「私」。死と向き合うことによって、生とは何か、幸福とは何か、ということが見えてきます。文中どことなく
漂うハイソで知的な雰囲気。なお当時、肺結核は不治の病と怖れられていた一方で、肌の色が白くなって体がスリムになってかっこいい病気とも思われていた
そうです。
ラストは優さんピンクのロングドレスで「今はこんなに悲しくて 涙もかれ果てて…」に乗って優雅にダンス。

4「夜嵐(よあらし)おきぬ」出演:朱魅、森健太郎、山口六平。
日本情緒なメロディが物悲しく流れ、赤ん坊を抱いたおきぬ(朱魅)が「ねんねんころりよ…」と歌っています。
そこへ看守(森)や後見人(山口)がやって来て、と先週とほぼ同じ展開。
赤ん坊を奪われ、泣き叫ぶ場面は更にリアルに。
そして中間部。アドリブ満載でコミカルに。そして
仕切り直し。拍子木の音1つで後半になります。
おきぬ最期はかっこよく
「夜嵐の さめて跡なし 花の夢」と辞世。
そして踊りになっていきます。乗り乗りの祭りの乗りで。拍手。

このあとカーテンコール、メンバー紹介、と盛り上がって終わりました。午後9時15分頃。

[HOME] 投稿日 7月17日(水)10時08分 投稿者 行った人   削除


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