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●SWEETな野郎 in カナダ

バンクーバーダウンタウンへの入り口、橋を渡ってすぐの所にCECILはあった。
やや古ぼけた建物、外には怪しげな雰囲気の男が、入ってくる客の車を駐車したり、
客の案内をしたり、急ぐ風もなく淡々と立ち働いていた。
その風景から、日本で嗅ぎ慣れた独特の「臭い」を久しぶりに感じて、俺は連れに
気取られないように口の端でニヤリと微笑んだ。

階段を上る時に壁際にいる浮浪者が鋭い眼光でこちらを見る。とりあえず目を合わせ
ないようにして入り口へ向かう。ドアを開けると中から強烈な香水の香りとビートの
効いたサウンドが漏れ出してくる。

受付の娘に、5カナダドル(400円程度)を支払い、バドワイザーを受け取ると
奥に進み、ステージからやや離れたテーブルに腰を落ち着ける。座ってあたりを
見回すと、今はステージの切れ目の休憩時間らしく、ステージの上には誰も居ず、
音楽だけが流れている。あちこちで店の女が客とにこやかに話しているが、さしずめ
商談の真っ最中というところか。

こちらも連れと話していると、女がにこやかに近づいてくる。「一緒に踊りませんか?」

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http://www.ainews.com/story/2447/

- 02/13 05:30
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