長文レポのサンクチュアリ
[投稿する]
●浅草艶絵巻11月公演」レポ

2017年11月17日(木)浅草リトルシアターに行って艶絵巻(11/15〜18)の楽前を見てきました。今回は豪華4本立てです。以下、簡単に。

1朗読劇「明烏(あけがらす)」美樹うらら、山口六平
暗転の中、三味の音が流れてきます。照明がつくと舞台に、花魁姿の美樹うららさん(可愛い!)と着物姿の山口氏が並んで椅子にかけています。そして椅子
の前の譜面台に置かれた本を見ながら朗読劇になります。落語「明烏」のころの吉原のお話です。
客が馴染みの花魁に「お前に会えるのも今日が最後だ」と言います。店が人手に渡ることになったとか、女房は子供を連れて出ていったとか、分不相応な遊び
をした報いだとか。
「さぞわちきをうらんでおいでだろうねえ」
「とんでもねえ、男と生まれてお前さんみたいな良い女と出逢えて、俺は少しの後悔もねえ」 
そんなふうに静かに進んでいきます。2人とも台本はほとんど読んでいないようです。朗読劇という形ですが逆に想像力をかきたてます。江戸時代、吉原のど
こかであったかもしれない(そして今日もあるかもしれない)物語。
朗読劇のあとは、一旦暗転。
曲が流れ、照明がつくとうららねえさん花魁姿で踊ります。あでやかで、そして切なく。

2「夜を巡る女 第2話」牧瀬茜原作/出演
今年4月にやった「夜を巡る女」の第2弾です。牧瀬さんが出会った踊り子さんたちの様々な人生模様を一人の女にまとめたものだそうです。牧瀬さん大人な
赤いドレスで登場。そして一人語り…
同じ飲食店に勤める友人に付き合って見にいったストリップ、すなおに美しいと思った。そこの社長に、華やかな友人の方ではなく、地味な自分の方が勧誘さ
れた。そして踊り子になった。色々あって娘が生まれ、踊り子をしながら育てた。その娘も二十歳。親元を離れる時が来た…
淡々と語っていきます。少しづつ引き込まれ、身内のことのように思えてきます。さすがですね。
そのあと牧瀬さん洋楽に乗って2曲ダンス。踊り子の人生が重なって見えてきます。

3朗読劇「風立ちぬ」灯月いつか  
生きることの意味を見失いかけていた女の子が、たまたま「風立ちぬ」の本に出会う、という物語。
暗転の中、ユーミンの「ひこうき雲」(1973リリース。40年後に映画「風立ちぬ」主題歌に)が流れ
(注)映画「風立ちぬ」:宮崎駿原作のアニメ映画。飛行機設計者であった実在の人物である堀越二郎の人生に、宮崎が好きだという堀辰雄の「風立ちぬ」の
物語を絡ませたもの。2013スタジオジブリ)
そして本を読んでいきます。
しだいに病(当時は不治の病と言われた肺結核)が重くなっていく婚約者。それを優しく看病する主人公。二人のきずなは深まっていき、死を直視することで
生の意味が見えてくる…
読み終わると少女は
「風立ちぬ、いざ生きめやも(小説の冒頭のポール・ヴァレリーの詩)
 私も前を向いて生きていこう」と言ったようです。明るく宣言。
ここで松田○子のあの歌が流れ、これで3つの「風立ちぬ」が出そろいます。
そしてここから「逆転ストリップ」
ブラをつけ、スカートをはいて上衣をはおり… 清楚でかわいく出来上がり、ニコッ。

4「品川心中」朱魅、森健太郎、他  
昨年やった演目の再演。落語「品川心中」の前半の舞台化。今回はモリケンこと森健太郎氏が初出演。
最初に山口氏が出てきて簡単に前説。江戸時代の品川は東海道の最初の宿場で、吉原ほど格式は高くないが遊廓があって賑わっていましたとか。
さて品川で一番の板頭(いたがしら。吉原で言う花魁のようなもの)だったお染姐さんも年には勝てず、お客は一人また一人と減って、とうとう年に一度の紋
日(もんぴ。遊女があいさつ回りをする日。費用はふつうなじみの客が持つ)に用意する50両の金がない。恥をさらして生きるよりいっそ死んでしまおう、
それも一人で死んだのでは金がなくて死んだみたいだから心中にしよう、相手は誰がいいかな…
昨今「自殺サイト」が話題になっていますが、こんなものは落語の中だけにしてほしいものです。
さて選ばれたのは貸本屋の金蔵。
お染「あの人なら、根がバカでスケベだから」(笑)このワルぶりが色っぽい。朱魅さんのはまり役ですね。一方のモリケン、金蔵になりきって体当たりの熱
演。後はごぞんじの展開。
芝居が終わると、会津磐梯山が流れ
お染姐さん艶っぽく踊ります。日本民謡にラテンの乗りも。いいですねぇー。
毎回ちょっとづつ違った演出も見所です。

以上は個人の感想です。勘違い・記憶違いも多いと思います。m(_ _)m

- 11/21 11:40
- 行った人


0.HOME