長文レポのサンクチュアリ
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●「浅草艶絵巻 9月公演」レポ

2017年9月21日(木)浅草リトルシアターに行って艶絵巻の初日を見てきました。演目は先月と同じですが
「疑惑」だけ主演が代役。3作品とも、過激と思われるほど自分に正直に生ききった女たちの物語。それぞれの時代で、それぞれに美しく。以下、簡単に。

1「疑惑」(志賀直哉「范の犯罪」より)柏木由紀奈、小枝ノリユキ、森健太郎
先月は主演が黒崎優さんで中々良かったですが、今月は柏木由紀奈さんが代役。
暗転の中、中国的な音楽が流れ、照明がつくと由紀奈さん赤いチャイナドレスで笑顔で登場。似合っている!妖艶に1曲舞います。
そして物語になりますが、そこは艶絵巻、原作どおりにはいきません。由紀奈さん演じるインラン、幽霊になって夫チン・チクリン(森)や裁判官(小枝)を
相手に大活躍。が、単なる喜劇ではなく一つの究極の夫婦愛の姿を見せてくれました。

2「戦争と一人の女」(坂口安吾原作)灯月いつか 
安吾の小説「戦争と一人の女」と「続戦争と一人の女」を「女」の一人語りで再構成。
音楽が流れ、照明がつくといつかさん、白い下着のような簡単な衣裳で登場。これが空襲を表す赤い照明と絶妙のコントラスト。そして独り芝居になります。
戦中から戦後にかけて自由奔放に生きた一人の女。爆撃に来るB29を美しいと言ったり、多くの男性遍歴などなど。時に可愛く、時にしたたかに。ある意味
で現代人よりもずっと自由だったようです。

3「霧の城〜女城主お艶(つや)の方」朱魅、小枝ノリユキ
英語版「地上○星」が流れ、朱魅さん豪華な和装で誇り高く登場。すでに勝負あった!って感じです。
そして織田信長の叔母(年下なので兄妹のような関係)でありながら敵方の武田についた女城主〜井伊直虎だけが女城主じゃない!〜の物語になります。捉え
られ信長(小枝)の前に引き出されても毅然として信長の非を突き、時にのろけ(笑)信長を圧倒します。気高くて妖艶で、そして無邪気で。これまた朱魅さ
んのはまり役ですね。一方、子供のことになると途端に母の顔になり、強さと弱さを見せます。
なおNHK総合「歴史秘話ヒストリア」の「戦場の花嫁 愛に生きた女城主」の回でおつやを扱っていましたが、息子の六太夫(美女の息子ならきっとイケメ
ン)は生き延びて村上水軍に加わったとか、その子孫たちは今も生きているとか。良かったですね。(^^)

そしてカーテンコールになります。小枝ノリユキさんは今回で艶絵巻卒業とのこと。小枝さんは時にシリアス時に(大半?)道化になりきって女優陣の艶やか
さをよく引き出してくれました。お疲れ様です。新しい世界でのご活躍を祈ります。

- 11/04 03:00
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