長文レポのサンクチュアリ
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●「浅草艶絵巻 10月公演」レポ

2016年10月28日(金)、またまた浅草リトルシアターに行って艶絵巻(10/26〜29)の楽前を見てきました。出演は女優陣が灯月いつか、朱魅、RIKA、美樹うらら(初)、つちやまい、和田渚、光子(初)、男優陣が小林歩祐樹、小枝ノリユキ、森健太郎、大橋健太郎(初)、上重順平(初)、司会は山口六平の皆さんでした。つちやさん〜山口さんは劇団「浅草くじら座」のメンバーです。以下、簡単に。

1「義血義血」(泉鏡花原作)美樹うららさん初出演なのにヒロイン滝の白糸になりきって好演、初代水谷八重子さんを思わせるものがありました。男優陣は判事役の小枝さん以外は入れ替わり、村越検事が大橋さん、弁護人が上重さん、悪役の南京出刃打ちを森さんメークも凝って熱演。ナレーションは光子さん着物姿で堂々と、そして時に見せる笑顔がかわいい。
その後の踊りではうらら姐さん日舞で時に色っぽく時に可憐に魅せてくれます。さすがですね。

2「春琴抄」(谷崎潤一郎原作)春琴(灯月)が白い杖を持って佐助(小林)に手を引かれて登場し、「暑いわ」と関西なまりで言います。これでもう観客の心をつかんでしまいます。あとは御存じの展開ですが、この究極の愛を描いた名作を灯月・小林コンビは簡潔に香り高くまとめ上げ、見る者の心に刺さってくるものがありました。

3「班女」(世阿弥原作)今回唯一の喜劇です。扇が縁になって男女が再会する物語。8月公演に引き続きRIKAさんが花子役を清楚ではかなげに。中盤から登場のつちやまい、和田渚の巨乳で芸達者なお二人のちょっとHなかけあい、何度見ても笑わせてくれます。先ほどは威厳のある判事だった小枝さんは、ここでは3枚目(?)。
お芝居の後はRIKAさん、前衛的な女性ボーカルに乗ってバーレスクのようにお洒落でセクシーでパワー全開のダンス、そそられます。

4「唐人お吉」(村松春水原作)1〜3は愛をテーマにしたものでしたが、ここでは加えて偏見との戦いといった今日的な、あるいは普遍的なテーマに果敢に挑戦しています。お吉役の朱魅さん、喜び、悲しみ、想い出、怒り、動揺、絶望、誇り…様々な心の動きを純粋に正直にぶつけていきます。朱魅さんのはまり役ですね。それ以外の人たちは〜お吉にかかわった人たちは〜全員が黒い衣裳で、それぞれの立場から物語に陰影を与えていき、芝居全体が熱く盛り上がります。
その後の朱魅さんの踊りは、華麗な日舞からはじまって、しだいに乱れていき、最後は気がふれて雨の中で入水したと伝えられるお吉の、言葉にならない思いを表しています。 
 
そしてフィナーレ、メンバー紹介。なお艶絵巻,次回は11月23〜26日だそうです。

- 10/30 11:50
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