浜劇
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●浜劇 [digest] 2013-12/04 [2/2]

【川原美咲さん】背筋を伸ばして顎を引き、黒いスラックスを勢い良く引き上げると‥慌ただしくシャツの裾をたくし込む。それだけで、男=ギャツビーになる。素肌に一枚シャツを纏い‥裾からしなやかな素足を覗かせる。それだけで、女=デイジーになる。シャツブラウスは淡いパールピンクで‥襟と袖口の返し、ボタンとかがり穴が黒。胸元の小さなコサージュもブラックで、全体にシックな印象。見せ方や着こなし、演者の所作でいか様にもその表情を変える「ユニセックス」なデザイン。袖に退く事なく、最小限の衣装替えでギャツビー⇔デイジー間を往き来して、観客の気持ちを逸らさない。サスペンダー付きのスラックスもまた然り。舞台上でのスピーディーな着替えがもたらす独特のソリッド感‥それこそが既に「演出」なのだ。

【吉沢伊織さん】「ちゅら海」は‥その完成度を上げていた。冒頭の、太鼓を叩きながら弾む様に舞うパートでの「タタン‥タタン‥」。太鼓の音が途切れる間合いで「ばち」が宙に描き出す艶やかな軌跡は、より一層滑らかに、生き生きと。ベッドパートでは、そっと外されたハイビスカスの髪留めがLで掲げられた脚を優しく撫で、また‥二度目のLでは真上に高く差し上げられる等、所作の一つ一つに「優しさ」が滲む。演じ込む事で演目を自らの血肉にしている様な印象も受けた。生まれたての可愛らしい新作「冬物語」は、どのように育て上げられるのだろう‥。冬の深まりと共に「熟成」が進むのを‥楽しみに待ちたい。

【松嶋れいなさん】クールビューティー改め「ロックのお茶目番長」化している昨今のれいな嬢なのだけれど、この日も超・可愛らしかった(笑)。一曲目‥オレンジ色の地に影絵(切り絵) 風に黒で柄が描かれたミニドレスを皮切りに、裾に緑色のフサフサがついたキャミソールミニドレス、柔らかな風合いのピンクのシャツだけを羽織って登場するベッドパートに至るまで‥人懐っこい笑みを絶やさない。中でも背もたれのない丸イスをオナカにくっつけて振り廻す所などは無邪気な童女そのもので‥本当に楽しそう。また、三回目のオープン・ショーでは盆でポーズを切って後‥暫し静止‥その間じゅう、対面するお客に視線をロックオン!していた。何度かポーズを切り直し‥その都度別のお客をドギマギさせ続け‥時間もたっぷりと掛けて。「ドキドキするでしょう?」いたずらっ娘の眼差しが無言で語りかけてくる。反則だよなぁ。勝てるワケない(笑)

- 12/15 16:10
- くるりん


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