浜劇
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●かんなさん 2014-0728 [3rd][4th] stage

(3rd)「祭り」の主人公=かんな兄ぃは相当に「男前」だ。盆で胡座をかきながら前に翳した半纏は背中に描かれた「祭」の大文字が鮮やかで‥それだけで一幅の絵の様な存在感。女性に見立て、抱き締めようとする刹那に腕から滑り落ちる大団扇は、別の場面では本舞台奥の壁に立て掛けられていて、それが盆で踊る彼女の風圧でパタリ、と倒れたり‥。そのタイミングが何とも「絶妙」で‥そういう「演出」だったのか、はたまたハプニングだったのか、未だに判然としない。裸でステージに立ち、片肩にバサリと半纏を羽織ってみせる仕草が粋で鯔背でカッコいい。宝塚の男役が、ある意味究極の理想の男性像であるのと同様に‥「かんな兄ぃ」もまた、彼女の理想の男性像なのだろうか。演目を作ったのは別の人かも知れないけど、余りにも迷いのない「成りきり」っぷりに‥その想いを強くする。

(4th)盆で日傘を差して後ろ向きにしゃがみ込んだ姿勢から‥薄い浴衣に包まれたまぁるいヒップが零れている。立ち上がり、振り返ると、白地に淡いタッチで描かれたヒマワリの柄が水彩画の様に滲む意匠。淑やかに始まるも、やがて本舞台右袖近くにしゃがみ込むと片肩を出し、裾を捲り上げ、ノリノリのダンスに転じる。曲はこの季節の定番「夏祭り」。程なくして浴衣を脱ぎ去ると盆と本舞台の「際」に立ち、背中を向ける。「斑の紐」をアクセントに使うビキニスタイル。美しい背中。腰の括れから続く悩ましいヒップラインは白のフルバックパンティで覆われている‥。四つん這いで盆に至ると、カブリ客に向かって川の水を掬って掛ける様な仕草。お客もノリが良く‥水をかわすフリで応えていた。あどけない表情の彼女が、まるで「少女」の様だ。ステージラストを飾るのは、夏の大定番曲に乗せての、ノリノリのダンスベッド‥。曲の終わりに向けて徐々にフェイドアウトしてゆくアレンジが「過ぎ行く夏」を想起させて、ちょっぴりセンチメンタルな気持ちになる。味わい深い「余韻」を残し‥ステージに「幕」が降りる。

- 08/22 05:35
- くるりん


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