淡いピンクのシースルー‥疎らに白い花びらを散らした大振りな布にくるまれて本舞台の中央にしゃがみ込んでいる。膝をついて前屈みに俯せる体勢から上体を起こし、片膝をつき、そして立ち上がる。一連の動きは優しい光が透過する布の中で滑らかに紡がれてゆき‥やがて勢い良く布が払われると、静かな展開を見せた導入部から一転。弾ける様にエネルギッシュな舞いにシフトする。素肌に纏う淡いピンクの全身ストッキング。胸の辺りに盛りつけられた‥濃いピンクの小さなフリルが乳房の膨らみを隠している。厚手のナイロン製‥シースルーの超ミニスカートの下にはホワイトイエローのモコモコした素材のマイクロミニパンツ。こちらに向けて尻を突き出し‥フリフリする仕草が何とも可愛らしい。

「さくら／さくら／いま／咲き誇る／刹那に散りゆく／運命と知って‥」

朗々とした男性ボーカルの独唱が響き渡る中‥次のパートは本舞台中央に設えられた椅子の上からのスタートとなる。椅子から下りる事なく美しいポーズを繋いでゆき、中でも圧巻だったのは‥狭い座面を物ともしない高難度のＨバランス。短い体幹から長い手足が斜め方向に伸びていて‥寧ろ「Ｘバランス」と言った方が近いかも知れない。椅子から下りてからも‥途切れない滑らかなムーヴと柔和な表情が、場内の雰囲気を優しい桜色に染め上げていた。殊にいったんポーズを決めてから更にゆっくり背中を反らし、足の裏側に頭がペタン‥とついてしまう「軟体スワン」を一連の流れに組み込んで魅せる場面は、まさに絶品。ハートウォーミングな踊り子「かんな」嬢の面目躍如‥といった所だろうか。最後は葉桜のメタファーなのだろう‥グリーン×イエローグリーンの衣装に身を包み、件の椅子の上でポーズを決めて充実の表情でフィニッシュ‥となる。

- 04/25 08:00
- くるりん