川崎ロック座
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●永瀬ゆらさん 2015-05-30 (3rd) stage

三回目のステージ。途中からの入場。扉を開けて中に入ると、盆の上に若かりし日の「花魁」がいた。

HIKARU版「花魁」は、乳呑み児から現役の遊女へと一足跳びに時を渡る。その空隙を埋める様に、ななせ流「花魁」は小さくてあどけなく‥それでいて妖艶だった。薄い朱色の襦袢で盆に横臥してゆっくり身体を切り返し、伏し目がちな視線を泳がせるだけで「物語」を紡ぎ出す。

一人の女性の一生を幼少期から晩年まで追う際、その年代ごとに複数の女優に演じさせる〜テレビドラマ等で時々見かける、あの手法を思い出した。実際はそれを意図したものではない‥独立した演目なのだろうけど、まるで欠落したジグソーパズルの最後のピースがピタリと嵌まるみたいに、脳内で違和感なく「補完」される。

このタイミングで、彼女が、この演目を掛ける事。それ自体が最高の「演出」であり‥手向けだった様に思う。

- 09/25 13:25
- くるりん


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