(続き)ベッドショーの入りは‥黒のTバックのみを身に着けた彼女が、自らを抱きしめる様にクロスした両腕を振りほどいて重量感のあるバストを露出させる‥印象的なシーンで幕を開ける。何かに耐えている様な‥潤んだ瞳。一歩一歩確かめる様に花道を進み、盆に至ると一際大きな拍手で沸く。紫がかった一輪の薔薇を小道具に展開する‥「ダンス」でもあり「演技」でもある、エモーショナルなムーヴ。件の薔薇を感情の昂りにまかせて床に叩きつけ‥拾い上げるとそのまま胸の谷間に挟み込み‥ついには客席に向かって放り投げる。「躍動する」肉体と「溢れ出す」感情が織り成すステージは「女優=真木今日子の世界」そのものだ。その流れの果てに用意されているのは、目の前の「誰か」にすがりつく様に手を伸ばしながらのシャチホコが口火を切る‥連続ポーズベッド。幼子が母を求める様な切ない表情が印象的だ。他にも「開脚膝立ち」から後ろに反り返っての「三点支持+片手差し上げ」など、シンプルで力強いムーヴで構成されたポーズベッドは「上手さ」ではなく‥そこに込められた「熱さ」で観客の心を打つ。曲がsuperfly最大のヒットチューンに繋がれると、そのボルテージは頂点に。彼女の「一挙手一投足」に‥客席から惜しみない拍手が贈られる。立ち上がり、ゆっくり本舞台に下がる彼女に‥暖かくも轟音の様な拍手が注がれる。振り返り‥その中で微笑む彼女は、まるで「憑き物が落ちた」みたいにスッキリした表情をしていて、少女の様にあどけなかった。
- 06/23 18:15
- くるりん