川崎ロック座
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●桃瀬れなさん 2014-0601 [1st][2nd][3rd] stage

暗転が明けると白のシースルー‥大振りな布を頭からすっぽり被り、盆の中央にしゃがみ込んでいる。ふんわりボリューミィなスカートの裾は盆を覆い尽くさんばかり。ベール越しに判然としない表情と背筋を伸ばして微動だにしない佇まいが、彼女をまるで「本物のお人形さん」の様に見せている。立ち上がって白いシースルーのベールを払い除けると、濃いピンクのかっちりしたトップスから段々フリルのスカートに続くロングドレス姿に。足元は素足。80年代を代表する「ママドル」のヒットチューンに乗せて軽快に舞い踊る。可愛らしく、元気いっぱいに本舞台に駆け込むとスカートの裾をたくし上げ、両脚を揃えて「右」に「左」に‥弾む様に跳躍する。その都度スカートがふわり、ふわりと舞い上がり、彼女の脚が無防備に晒される。エロチック‥というよりもひたすらに可愛らしい。そしてこの為の「素足」だったのかと思い至り‥その着想に感心する。やがてドレスを脱ぎ去ると後ろ手に引き摺りながら左袖に消え、程なくして右袖から現れる‥。胸元にカップレス・ブラ的なアレンジが施されたピンクのキャミソールミニドレス。本舞台と花道の「際」に座り込むと軽やかに身体を切り返しながらジグザグに進み‥盆に至る。左手にはぐるぐる巻きにされた赤いロープ。ほどいて身体に巻きつける仕草を絡めながら盆の辺りに視線を巡らせ、ひとりのお客を「ロックオン」する。ロープ先端の輪になった部分をお客の首に掛け、残るロープをほどきながら本舞台に下がる。「選ばれた」お客は本当に嬉しそうだ。つい先刻まで仏頂面をしていたのが嘘みたい(笑)。ステージラストを飾るベッドショーは、定番のポーズを組み合わせて手堅く纏めていた。その中にあって時折差し込まれる‥超クイックモーションからのコンパクトなシャチホコが素晴らしい。ポーズがピシッと決まる瞬間、伸ばした脚が正確に中天を射抜き、微動だにしない。小柄な彼女だからこそ一層映えるのだろう‥このシャチホコの「残像」が頭から離れない。

(追記)extra-track!
座り込み‥身体をジグザグに切り返しながら花道を進む「盆入り」は一回目のみ。二〜三回目はスタンディングからのオーソドックスなものに‥。「首輪」のくだりでは二〜三回目にそれぞれ別のお客が選ばれていて、最初のお客さんが‥ちょっぴり寂しそう。ファンの方だったのかな。それにしても彼女は客席を本当に良く見ているなぁ‥と感心する事しきり。

- 06/18 20:25
- くるりん


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