川崎ロック座
[投稿する]
●友坂麗さん 2014-0601 [1st][2nd] stage

前の演者がステージからハケて場内が闇に沈む。暗転が解けるまでの僅かな時間で「季節」は二ヶ月ほど先に進んでいた‥。

淡いピンクの地に水草と金魚の意匠。帯は濃いピンクで黒く長い髪をアップに纏め、足元は軽装履き。団扇を携え、視線を斜め上に向けている。舞台上に明滅する小さな光。その間を縫う様にドン‥ドン‥と打ち上げ花火のSEが鳴り響く。盆に進み出るとしどけなくしゃがみ込み‥カブリ席に座るお客の肩を、チョンチョン‥と指先で軽く突く。一瞬視線を絡ませた後、目線の動きでお客の視線を上空へ誘うと‥それだけで夏の夜空を彩る大輪の花火が見える様だ。本舞台に取って返すと、ゆっくり翳した手のひらをパチン!と強く打ち鳴らす。どうやら蚊を取り逃がしてしまったみたい。「や〜ね」的な‥はにかんだ表情。団扇を使って追い払う仕草を見せる。続いては片手に団扇‥もう一方の手は指を揃えて軽く膨らませた様な形をつくり、目の前でそっと重ね合わせる。開いた手のひらの中には多分‥ホタル。闇に向かって飛び立つホタルを見送る彼女の眼差しが何とも優しい。ベッドショーは再び舞い戻った盆の上で。しゃがみ込んで帯を緩め、片肩を晒す。ピンクの帯の下にもう一本‥白〜イエローのグラデーションが掛かる布が巻かれていて、それを絡めてしどけなく舞う。ゆっくりと‥だけどその動きは一瞬たりとも絶える事はなく、折に触れて繰り出される「流し目」が‥時を止める。この流れの果てに差し込まれる‥じっくり丁寧なポーズベッドが美しかった。途中、長い前髪がほつれて彼女の顔に掛かると指先で掬い上げ、耳の後ろに廻す。何気ない仕草に薫る「風情」が悩ましい。最後はゆっくり本舞台に下がり‥艶やかな終幕となる。時は六月初旬。川崎ロックに‥一足早い「夏」が来る。

(追記)extra-track!
レポ本編は一回目のステージから。二回目は白地に様々な大きさの蝶のシルエットが舞う柄の浴衣を身に着けていました。色はライムグリーン、オレンジ、ピンクだったかな。また「蚊」のくだりは本舞台から盆に場所を移して‥。膝を揃えて床に腰を下ろし、露わになった向こうずねをペチンと叩く可愛らしい仕草へと変更されていました。彼女の魅力的な表情をつぶさに見たいので、オイラ的にはこっちの方が好みかも?(笑)

- 06/17 11:05
- くるりん


0.HOME