アップに纏めた髪。インナーは白のブラウス。その上にグレーのベスト&ダブルの金ボタン‥黒のジャケットを重ねている。ボトムはサイドに黒のラインが入るグレーのパンツスタイル。足元は黒エナメルのヒールサンダル。「男装の麗人」風の装いで華麗に舞い踊る。ある意味‥宝塚の男役より「らしい」感じで、川原美咲さんの「ギャツビー」ばりにスタイリッシュでもある。曲が宗教歌風の重厚な合唱に転じると右袖に引っ込み、左袖から現れて次のパートへ。夜空にきらめく星の様にラメを散らしたビスチェ風‥タイトな身頃の黒いキャミソールトップ&裾に向かって円錐状に拡がる淡いピンクのロングスカート姿に。滑る様に本舞台を往き交い‥スカートの裾に風を孕ませながら伸びやかにターン。中でも腕の振りと手首から先〜指先に至るまで神経の行き届いた繊細なムーヴが素晴らしかった。静かなインスト曲に合わせてヒタヒタと潮が満ちる様に情感が高まる。次の衣装は縦方向にドレープが入るゆったりめのシースルー‥白のネグリジェドレス。ウェスト廻りにきらきら光るデコレーションも艶やかに背中を向けると腕を水平方向にスッ‥と掲げる。背後からの光を透過して衣装の中に身体のラインが浮かび上がる。その状態で腕を燻らせる仕草が何とも美しい。そして再び正面に向き直ると静々と花道を進み‥盆に至る。前を開き、ターンテーブルにしゃがみ込むと優雅な身のこなしでノーポーズベッド〜そして曲の高まりにつれて美しい姿態の変遷で魅せる連続ポーズベッドへとシフトする。男女の掛け合い風‥オペラ調の歌曲に乗せて披露されるポーズベッドは「若干抑えた」印象で、しかしステージ全体の纏まりという意味ではバランスが取れている。「松嶋れいな」という最高の素材の魅力を十二分に堪能できる‥良質なステージ。
- 01/23 23:00
- くるりん