頭蓋にぴったり張り付く様な‥クルクル巻き毛の白いウィッグに、フリース素材の白い角。シルバーのレオタードをベースに胸元と腿の付け根のVゾーンをたっぷりの白いフリンジで飾り付け、右肩に白く大きな布を掛けてステージに立っている。足元は白のバレエシューズ。本舞台への視界を遮るカーテンが左右に退くと、その異様にして若干コミカルな出で立ちで花道を進んでくる。クールなサウンドに滑らかなムーヴが、いかにも「彼女らしい」HIP-HOPダンス。踊る彼女の背後で静かに閉ざされるカーテンは、やがて振り返り、本舞台へと引き返す彼女を迎え入れる様に再びスルスルと開かれる。
ここでちょっとした寸劇‥というか「一人芝居」が入る。カーテン向こう側の暗がりから再び姿を見せる彼女が、件の角を外し、それをインタビュアーに見立てて「一人二役」の質疑応答を始めるのだ。
「空さん‥この度は10周年おめでとうございます」地声でインタビュアー役を演じると素早く立ち位置を変え「感無量です」と不自然な裏声&瞳ウルウルのぶりっ子フェイスでそれに応える(笑)。この他にも二言三言、簡単なやり取りがあった後‥再びカーテンの向こう側へ。
ステージの仕切り直しは、本舞台右側に設えられた椅子に座りながら。トップレスに淡いピンクのTバック&ガーターベルト姿で、白いバレエシューズからゴツい踵の付いた白エナメルのハイヒールに履き替えて立ち上がり‥スタイリッシュに舞う。精緻な曲のリズムと溶け合う‥シンクロ率の高いムーヴは「空まこと」ならではのもの。踊りながらシースルー‥ピンクのナイティをピックアップするとフワリと羽織り、花道をwalk‥盆に至る。ターンテーブルの上で仰向けに横たわる彼女が、僅かに脚を浮かせ‥波打つ様に燻らせる。曲の繋ぎ目が判然としない「絶妙な編集」がされた音源&流れる様なシルキーなムーヴは、出来る事なら最初から最後まで「息を潜めて」見つめていたい。インタビューのくだりはサービス精神の発露なんだろうけど、ステージ上では「クールでカッコいい」空まことのままでいて欲しかった様にも思う。
(追記)extra-track!
後日SNAで拝見した同演目では、このインタビューのくだりは省略されていました。「空さん、何処へ向かってるんだろう?」って、この時は本当に焦っていたんですよ(笑)(^_^;)
- 01/02 15:55
- くるりん