ひとしきり舞った後、白いキャミソールドレスを脱ぎ、くしゅくしゅっ‥とした風合いのピンクのキャミソールトップ&白ハイレッグのTバック姿になる。バレエシューズを脱ぎ‥片足首近くにパールピンクのリボンを巻いて、本舞台から花道〜盆に至るしなやかなムーヴ。仰向けに横たわり、浮かせた脚をジグザグに交錯させながら盆の外周に沿って旋回するローリング・クレイドル〜そこから一気に切り返してシャチホコ〜から更に伸び上がって「人」の字‥と、その切れ味、畳み掛ける怒涛の展開に息を呑む。最後は盆から花道‥そして本舞台へと遡り、いったん脱いだパールホワイトのキャミソールミニドレスを再び纏う。椅子に座ると彼女の手足を見えない大きな手が弄んでいるかの様な不自然なムーヴ。やがてそれも止んでくつろいだ姿になり、一見無機的な、でも何処か満たされた様にも見える不思議な表情を湛えてステージに幕が下りる。
「人形」はもう‥動かない。
(追記)extra-track!
人形を文字通り doll と捉えるべきか、それとも男性側からの強引なアプローチに翻弄される一人の女性に対する「比喩」と捉えるべきか。その二つの説の間で観劇中、自分の気持ちも揺さぶられ続けた演目。釈然としないんだけど、それ故に気になって忘れられない‥というか。ハセリンさんの掌の内で、いつの間にかコロコロ転がされてしまった‥みたいな(笑)。
何だか「観劇後の余韻」が深かったです。
- 08/02 17:35
- くるりん