バレエのコスチューム‥チュチュ風の白いミニスカドレス。足元は素足。やや控えめなアレンジで「魂のルフラン」の外国語バージョンが流れる。しっとり優美な舞いはこれ以降の怒濤の展開の序章の様にも思える‥。二曲目はタイトな身頃‥光沢のある素材のミニスカワンピースで、色はオレンジレッド。所々にアクセントの「黒」が入る。同系色のギターピックを膨らませた様な形のプラスチック製の髪留めが長い髪をツインテールに纏めている。髪留めをそのまま大きくした様なデザインのエアバッグが首筋の辺りに設えられていて、オレンジに黒い文字で抜かれた「2」が異彩を放っている。彼女が愛して止まない某アニメ作品へのオマージュ。先端が二股に分かれたかなりの大きさの「槍」を携えていて‥彼女が槍を振り回す縦横無尽な動きは、まるで「汎用人型決戦兵器」が「憑依」しているかの様に見える。続いては、パッと見ワンピースにも見えるオレンジピンクのセパレーツ。トップスに縦のジッパーがあしらわれ‥スカートのサイド部分が編み上げられたデザイン。パントマイムなのか‥手話なのか‥。指先の繊細な動きが眼を惹くシルキーで滑らかなムーヴ。ゆったりした動きは絶える事なく‥一見静止している様に見えても身体の何処かが常に動いていて、ピン‥と張り詰めたテンションは観客の気持ちを逸らさない。静かに潮が退く様にこのパートを終えると、控えめなボリュームで次の曲のイントロが聞こえてくる。グルーヴィな前段の後で一気に弾ける「残酷な天使のテーゼ」のリミックス・バージョン。一発目のサビにシンクロしてのシャチホコ。続く三点倒立は空中で脚のカタチを刻々と変えて。それ以降も矢継ぎ早に連続ポーズを切る。途中からは件の槍も「参戦」しての豪快なムーヴ、そしてポーズ。小さな身体ごと見えない「何か」にぶつかってゆく様なエネルギッシュな「動き」は絶える事なく‥荒削りな中にも「キラリ」と光るモノがある。ステージを一気に駆け抜けると本舞台に下がり‥ギラつく夏の太陽を思わせる逆光の中で決めポーズ。象徴的なシーンでの「終幕」となる。
- 05/21 17:55
- くるりん