身体にぴったりフィットするミニスカワンピース。黒地に細いラインで縁取る様に「赤」が入る。ベルトラインのバックルの位置に並ぶ二つのコサージュが何だか「変身ベルト」みたい。足元は黒のロングブーツ。後ろを向くと身体に密着させる様にワンストラップの黒いバッグを背負っている。現代風‥というか未来志向の「くのいち」だ。曲は「きゃりーぱみゅぱみゅ」のメドレー。そういえば、それっぽい歌詞の曲が有った様にも思う。僅かに微笑み、だけど感情の起伏を表に出さない‥いつもの「みり節」でコミカルにダンス。一旦袖に引っ込むと全身を黒のストッキングで覆い、その上からブルー系のセパレーツを身に着けて再登場する。その際に‥何よりも観客の眼を惹くのは「眼球(×4)!」だろう。まずビキニトップのカップいっぱいに描かれた眼球が二つ。そしてカチューシャから伸びる二本のスプリングの先に揺れる眼球が二つ。彼女がステップを踏む度に頭上の眼球が「ぼよよん‥ぼよよん‥」と揺れて、何だかもう、コミカルさを突き抜けてひたすらに怪しい(笑)。このままの路線で最後まで行くのかな‥と思いきや、晴れた空が俄に掻き曇る様に雰囲気が変わってくる。曲も「きゃりぱみゅ」からサブカル色の強い‥ダークでヘビーな物に。予め内腿に仕込んでいたパールピンクのホルスターからメタリックな銃を抜くとシリアスな表情で前に構えて見せたり。セパレーツを脱いだ後‥所々に穴が開いた全身タイツを擦り下げながらのオナベッドで魅せたり。殊にヒップ部分は丸く大きく抜かれていて、尻の白さとストッキングの黒のコントラストが艶かしかった‥。フルボリュームでシャウトする「レーダーマン」と淡々としたオナニーベッドが見せる不思議な調和は、このジャンルにおける‥彼女のマニアックな嗜好を感じさせて興味深い。全てを脱ぎ去ると‥まるでそれが何かの「スイッチ」であったかの様に滑らかにポーズベッドへと移行する。腕を水平に伸ばしたまま床に「ストン‥」と身体を落とす180度開脚。boxyなシルエットを描き出す、美しいスワン‥。例によって淡々と演じているのだけれど、どちらもこれまでの「秋元みり」像には無かった物だ。前回ミカドで観劇した時も「それまでのイメージを覆す」ステージを見せてくれた彼女。一見クールにも見えるミステリアスな表情の裏には‥ステージへの飽くなき「探求心」が常に息づいている。
- 05/18 20:15
- くるりん