「RiRiRiRiRi‥」暗がりに鳴り響く目覚まし時計の音を合図にステージに灯がともる。ゆったりした身頃‥暗赤色の柄物のパジャマに身を包んだ彼女が本舞台の上で寝返りを打ったり、ゴロゴロと転がってみたり。やがて「むくり」と起き上がると、どこか呆けた‥心ここに在らずといった風情。寝起きはあまり宜しくないタイプの様だ(笑)。力なく立ち上がると、何かに憑依されているかの様な‥カクカクした脱力系のムーヴ。見えないピアノ線で吊るされたマリオネットみたいにも見える。踊りながらパジャマズボンを脱ぎ、本舞台右側の椅子に掛けられていた膝丈の黒いスカートを身に着ける。続けてパジャマの上も脱ぎ去ると、その下には予め着込まれていた白いブラウス。これに椅子の背もたれからピックアップした黒いジャケットを合わせると「シャキーン!」先刻までの虚ろな表情が嘘みたいに「覚醒」する。椅子を引いて深く腰掛けると背筋を伸ばし、パントマイムでキーボードを叩く仕草。続けて(まるでそこに鏡があるかの様に)正面を見据えるとやはりパントマイムでメイクを仕上げ、立ち上がる。本舞台から花道‥そして盆へ。ステージを広く、大きく使いながらのアクティブなムーヴ。途中で件の椅子を横倒しにして上から正拳突きを叩き込むなど、要所要所にアグレッシブな振りを入れていて、見た目にも楽しい。(ちなみにこの時の彼女は黒いソックス履きで、滑りやすい足元にも拘わらず見る者にそれを感じさせない危なげない動きは流石だった)そしてその椅子を後ろ手に引きずりながら花道を進み、盆に至る。ここでまずスカートを、そしてソックスを脱ぐ。続けて透明なストッキングを脱ぎ去り、黒いガーターベルトを左太腿に装着する。この時の「上はかっちりスーツスタイル&下はガーターベルトのみ」という装いが何とも悩ましく‥セクシーだった。ここからジャケットとブラウスを脱ぎ、その下に着込まれたワインレッドのキャミソール姿でベッドショーは佳境に。椅子に腰掛け艶やかな表情で脚を組み替える、肉感的な白い肌の誘惑に‥抗い切れない。
- 03/27 10:35
- くるりん