浅草ロック座
[投稿する]
●10/31

2018年10月31日(水)浅草Rに行って「秘すれば花 1st」(10/11〜31)の楽日を見てきました。
「風姿花伝」の有名な言葉をタイトルにした公演ですが、能楽をモチーフに芸術の香り高い、同時に
エンターテイメントにもなっているステージでした。以下、簡単に。

「トッカータとフーガ」が荘重に流れ〜これが能のイメージと合っている〜
「本日は浅草R座「秘すれば花」にご来場下さりありがとうございます…」と
川上奈々美さんの声で開演のアナウンス。そして始まります。

1景:紅葉狩(もみじがり)(せいの彩葉(いろは))平維茂(これもち)が山中で紅葉狩りをしている美女に出会い、誘われるまま酒を飲んで眠ってしまっ
たが、その美女は鬼の化身で…という物語です。
箏曲が流れ、カーテンが開くと着物姿の7人が彩葉さんを中央に座っています。すぐ洋楽になって群舞。
そのあと彩葉さんもみじ色の衣裳でダンス・ベッドショーとなっていきますが、能のストーリーそのままではなく、
それにインスパイアされて自由に踊りの世界が展開されていきます。(この後の演目も同様)。

2景:雪(空まこと)旅の僧が雪の精に出会うが、その雪の精は、自分はいったい何者なのかと自問していて〜哲学的ですね〜やがて僧の読経で成仏して、は
かなく消えていく、という物語。
空さん白いバレエ衣裳(だったかしら)に白い髪で、静かにダンス・ベッドショー。静謐感と、かすかに悶えるようなざわざわ感。深いです。そしておぼつか
ない足取りで本舞台に下がって行き、静かに闇の中に消えます。暖かい拍手。現代の小説にはなりえないような話ですが、その不思議なはかなさが、心に残り
ます。

3景:土蜘蛛(つちぐも)(みおり舞)源頼光たちが退治したという土蜘蛛の物語。 
静まり返った場内にいきなり足拍子の音が響きます。照明がつくと黒い衣裳にタイツだったか、みおり舞さん本舞台の丸盆の上に立って
タップダンス。無彩色の世界。
同様の衣裳の4人の蜘蛛の子も出てきて千筋の糸を投げたり激しくダンス。後半、白いまゆ玉のようなものの中から足が出たり手が出たり…不思議なエロス。
そしてベッドショーになっていきますが、言葉にならない叫びが聞こえてくるようでした。見る人によって様々な捉え方・感じ方がありそうです。

4景:船弁慶(ふなべんけい)(沙羅)鎌倉方に追われ逃れていく源義経の一行が、ここからは先は女には無理だからと、港で静御前と別れる物語。    
   
白いドレスの川上さん「さくらいろ舞うころ
私はひとり…」と歌い、白拍子(しらびょうし)姿の沙羅さんが舞います。良い場面ですね。そのあと沙羅さんが残ってダンス・ベッドショー。義経と別れる
静御前の心を切なく踊りで表していきます。
                   
<10分休憩>この間、映像で明日からの出演者の紹介と、今回の演目の解説。中々ためになります。

5景:狂言・神鳴(かみなり)(鶴見つばさ)雲から落ちてけがをした雷神が医者に治療してもらうが治療代がないので代わりに
風水害をなくしてやる、というお話。
カーテンが開くと舞台中央に虎皮ビキニの(ちょっとラムちゃんが入っているような)雷神の鶴見さん。後ろには狂言の
棒縛(ぼうしばり)・蝸牛(かぎゅう)・蚊相撲(かずもう)・蛸(たこ)・松脂(まつやに)の衣裳の6人がコミカルなしぐさで踊っています。とりわけ
「棒縛」のみおり、高崎お2人の、棒にしばりつけられたままお客に酒を(エアで)飲ませてもらう仕種が可笑しい。ボトル1本さし入れする粋なお客も。
そのあと雷神の鶴見さんが一人残ってダンス・ベッドショー。長身小顔でかっこいいですね。きれいなパイ○ン。

6景:鉄輪(かなわ)(高崎美佳)自分を捨てて若い後妻を娶った元夫に復讐する女の物語。鉄輪とは呪詛(じゅそ)の時に頭にろうそくを立てる為に逆さに
して頭に載せる五徳(ごとく)のことだそうです)
うしみつ時の神社を表すような舞台装置の前で、男役の彩葉さんと女役の高崎さんの2人、情熱的かつ運命的なダンス。後半は高崎さん一人、血のりを使って
凄絶なベッドショー。

7景:道成寺(どうじょうじ)(川上奈々美)安珍・清姫の物語の後日談です。
黒い帽子に黒い服の男役8人の中央に、赤い着物で眼鏡をかけた川上さん。リベルタ○ゴに乗って群舞。やがて赤い長い布を何本か横に渡したのをくぐって川
上さん本舞台に向かって進んでいきます。鐘の中に入っていくように。
ここからが圧巻です。本舞台の奥で早着替え、白いドレスに般若面をつけて再登場。蛇体となった清姫を表すようなダイナミックな群舞。やがて川上さんひと
り残って静かにオナベッド。 
般若は、怒りと悲しみで今にも泣き出す直前の表情なのだそうですが、その心の痛みが伝わってくるようです。
やがて面をはずすと、か、かわいい(^^)  映画「プラネット・オブ・アメーバ」も面白そうです。

フィナーレ:楊貴妃(ようきひ)。玄宗皇帝の命を受けた道士が、楊貴妃の魂の住む蓬莱宮へ訪ねていくという物語。
カーテンが開くと、唐の美女たちがおそろいの薄桃色の衣裳で全員集合、そして群舞。匂うような華やかさです。少しして楊貴妃(川上)が登場、ひときわ優
雅に舞います。やがて楊貴妃をセンターに一列に並ぶと、
楊「本日は浅草R座10月公演「秘すれば花」にご来場いただき…
本日の公演はいかがでしたか?」大きな拍手。
「ありがとうございます」そしてメンバー紹介になります。ダンサーさん4人と後は出演順に。
そんなふうにして終わります。拍手。

最終回ではこのあとカーテンが閉まっても拍手鳴り止まず、それが手拍子になって、再びカーテンが開きます。
そして出演順にマイクを持ってご挨拶。大変だったけど充実して楽しかったと皆さん言っています。
6番目の高崎さん、最後に「…それではトリの川上奈々美お姉様にマイクを返します」
マイクを受け取った川上さん
「知らぬまにお姉さんになってしまい…」(笑)そしてスピーチの終わりに
明日からのセカンドもよろしくお願いしますと言って締め括ります。
このあと恒例の3本〆(シャンシャンシャン…)
和やかにお開きになりました。11時10分頃。
明日からの「秘すれば花 2nd」(11/01〜20)も楽しみです。

以上は個人の感想です。勘違い・記憶違いも多いと思います。m(_ _)m

- 11/08 11:15
- 見物人


0.HOME