関東速報
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●「更生」レポ 

2019年11月19日(火)池袋シアターグリーン BOX in BOX THEATER に行って
「女囚175
part2 更生」という芝居(11/19〜24)の初日を見てきました。女優陣・男優陣・スタッフ皆のこの劇にかける思いが伝わってくるような、深く
て暖かい芝居になっていました。
フライヤーによると
「…この舞台は昨年、女子刑務所の実態と覚醒剤中毒の実態を描き、ショッキングな話題を呼んだ、
<女囚175〜覚せい剤取締法違反 懲役4年>の完結編である。
満期出所した日から現在に至るまで残りの人生をかけ、数々の困難を克服し遂に社会的に更生を果たした女性の波乱に
満ちた物語です」とのこと。私は昨年は見ていないのですが、実話を元にしたお話だそうです。
「女囚」と聞くと梶芽衣子さん主演の映画「女囚701号
さそり」(昭和47年東映、のちシリーズ化)を思い出します。芝居はそれと直接の関係はありませんが、それらを大きく包み込んだ「アンサーソング」のよ
うな気もします。以下ごく簡単に。

JR池袋駅の東口を出て7〜8分歩いて劇場に到着。ロビーは人でいっぱいです。少し待って開場。運良く1列目に座れました。
舞台は現代的な明るくシンプルな造り。まもなく満席になったようです。
開演予定の19時を10分ほど過ぎて、特にアナウンスはなく、始まります。
「ここへは2度と来ないように」事務的でやや高圧的な男の声が流れます。
「お世話になりました」と若い女の声。
そして舞台に、
地味な服装で化粧っけの全くない女性が出てきます。出所したばかりの主人公吉野圭子(小室友里)。まだ塀の外の世界になれない様子。そんなふうにして始
まります。
以下、覚えていることだけ断片的に。

就職しようとして面接を受けても、前科者とわかると「もう来ないで!」ガチャン。
やむなく知り合いのツテで、ある男の愛人ゆみ(朱魅)の家にいそうろう。
ゆみは衣装は派手で気位は高いがなぜか憎めないキャラ。朱魅さんのはまり役ですね。
そしてゆみが出掛けて圭子一人の時に男がやってきてレイプされそうになったり。

その後、別の知り合いの紹介でクラブのチーママとして雇われます。お化粧して急にきれいに。しかし人気が出たのが災いして、そこの和美ママ(坂本久子)
の嫉妬を買って、泥棒のぬれぎぬを着せられてだったか、追い出されます。
坂本さん、誰もが多かれ少なかれ持っている心の狭さを好演。
そしてアルバイトの2人の女の子(久山彩、村瀬真衣)は圭子についてきます。
この2人の女の子はいかにも現代っ娘で、少しづつ天然が入っているが、圭子を慕っているのが伝わってきて、なんか可愛い。
この後も圭子の苦難は続きます。
何かで警察に行くことになったら、最初は丁寧な応対だったのが、ここでも前科者であることがわかると署員の態度が一変、「おまえ」と呼ばれるようになっ
たり。あるいは健康を害したり、などなど。
しかし重要なのはこれらの苦労話にあるのではなく、その後の更生の物語です。

人生どん詰まりの所に来て、さまざまな人の縁がつながって出会いがあります。このあたり、わかりにくいこともあるのですが、
圭子はあるカウンセリングを受けることになります。そこの先生たちとの出会い。
良い話がいっぱいあったのですが、覚えているのは
「真剣と深刻とは違う、真剣に生きている人は深刻な顔はしない。むしろ明るいんだ」
そのようにして、ここからが更生の始まり。やがて相談する人から相談される人に。
そのあと監修の竹田淳子さんが講師の役で登場。おだやかな笑顔の女性です。 
「人はだれでもやり直しができます。この私がそうだったから」というお話だったと思います。
さっきまで悪役だった人たちも受講生の役で謹聴しています。
(このへんになってくると芝居と現実の区別がつかなくなってきます)
そして、受講生の一人である圭子に、竹田さんから卒業証書がわりに口紅が渡されます。女性らしい心づかいですね。そしてやさしくハグ。拍手。美しい場面
です。
エンディングに流れる「いのちの理由」(私が生まれてきたわけは…)がいつまでも耳に残りました。

そしてカーテンコール。一人づつご挨拶。最後に竹田さんが締めのご挨拶。
お伝えしたかったことは私の半生を見て下さいということではなく、人間はだれでもやり直しができる、ということです。
(そして、名前は出しませんでしたが、沢○エリカさんのニュースに触れて)
ぜひ更生していただきたいと思います、と励ましのメッセージを送っていました。
そんなふうにして暖かくもりあがって終わりました。

なおこの芝居が映画化されるとのこと。完成が楽しみです。
以上は個人の感想です。勘違い・記憶違いも多いと思います。m(_ _)m

- 11/29 03:52
- 行った人


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