関東速報
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●「浅草艶絵巻 10月公演(後)」レポ 

2019年10月25日(金)浅草リトルシアターに行って今月の艶絵巻後半(10/23〜26)の楽前を見てきました。
今回は出演者4人のうち2人が新人さんで、いつものように山口六平氏の前説に続いて始まります。以下、簡単に。

1Dance review「momizi」内田みる
前説では、特に紅葉に因んだというわけではありません、とのこと。
1曲目、初出演の内田みるさん〜フロアーダンサーさんだそうです〜両手で白い布をささげ持って目から下をかくすようにして神秘的に踊ります。和と洋、か
すかにアラビアンがまざったような。
2曲目で白い布を取ると、赤い着物ドレス。そして妖艶に情熱的に踊ります。いかにも秋まっ盛りって感じです。
いったん引っ込み
3曲目では黒のハイレグ衣装で再登場。軽快な曲に乗って笑顔でセクシーに踊ります。
特にストーリー性はなく〜あるとすれば女・3態というところでしょうか。
そんなふうにトップステージを飾ってくれました。拍手。

2「SUZAKU」脚本・演出・出演:美里流李(みさとるり)
芥川の「六の宮の姫君」より、流李さん一人二役です。タイトルは物語後半の舞台となった平安京の朱雀門(すざくもん)から。
(注)「六の宮の姫君」:芥川龍之介(1892〜1927)の短編小説。「今昔物語」に材を取り、没落していく貴族の娘とその乳母を当時の仏教思想をか
らめて描く。
照明がつくと流李さん白っぽい着物姿で登場。「これからお話しするのは、私がお仕えした六の宮の姫君の、悲しいご生涯でございます」と言ってささっと
引っ込みます。
すぐ(淡いピンクか萌葱色か)打ち掛けをはおって再登場。夢見るような顔で。
「あたしはここの姫、この家でお父上お母上といつまでもいっしょにくらしたい」幼女のように狂女のように言います。
そんなふうに乳母と姫が交互に現れて物語は進んでいきますが、流李さんみごとに演じ分けています。
後はほぼ小説に沿った展開ですが、後半はちょっとむずかしくなっていきます。
姫は運命に流されたままだったのか、最期に反逆したのか、あるいは作者の意図は全く別なところにあるのか。そのわかりにくさを、わかりにくいまま流李さ
ん全力で舞台にぶつけてくれました。拍手。

3「The life of others」脚本:山口六平。出演:初咲里奈・森健太郎
先月の再演です。が、格段に進化。この息の合ったお二人の芝居が今回限りというのは寂しいですね。
リベルタ○ゴが流れ、刑事(森)が登場。そして「早く来い!」と下手に向かって呼ぶと、ふてくされて出てきた不良少女(?)の向井鏡子(初咲)。銀白色
の髪に赤いタンクトップに白いショールに黒いミニスカに赤いストッキングに赤いハイヒール、だったか。ど派手だが似合っています。そしてここからの二人
のやりとりが何度見ても可笑しい。「すわれ」「うるせーな」里奈ちゃんのドスのきいたアネゴ口調にしびれますね。そして二人、言い争っているうちに、次
第に友情のようなものが生まれてきます。この後はSF的な展開になりますが、人間とは何か、自分とは何かを、改めて考えさせられます。
この演目は今回がラストということですが、「The eternal life」から続いてきたシリーズ、また新たな形で見られることを期待しています。
そのあと再びリベル○ンゴが流れ、初咲さんダンスになります。
キレのいい動き、神経のはりつめられた指先、そして視線。すごく大人に見えてきます。拍手。

4「カワヒメ」脚本:山口六平。出演:永瀬ゆら・山口六平
カワヒメ(川姫)とは高知県に栖息する美女の妖怪で、川辺に棲み、通りかかった男を誘惑しその精気を吸い取るという。
前説では、この演目はカワヒメ伝説に、20年前のノストラダ○スの予言騒ぎを混ぜた、1999年末の物語だとか。
荘重な音楽が流れ、照明がつくと初出演の永瀬ゆらさんSF時代劇のような黒い衣装で白いハチマキをして立っています。カワヒメ族の長のようです。漂う終
末感。そのあと部下の男(山口)が出てきて、人間は愚かで救いようがないとか、話しています。
ストーリーはよくわからなかったですが、風刺がたくさんあったようです。そして
2000年を迎えたけれども何も起こらない。そのあと2人のコミカルなからみ。
とにかくお二人熱演でした。 
そのあと永瀬さんの踊りになります。
コートを脱ぐと、昔の武士のように体に白いサラシを巻いています。そのサラシの一端をかぶりのお客の一人に持たせ、くるくるくる…男装美女のちょっと危
険なエロス。そんなふうにして踊りが終わります。拍手。

そのあとカーテンコール。メンバー紹介。それぞれに拍手。
今回も告知があって
内田さんは新宿でロックのライブ、
美里さんは上野でチェーホフの芝居、だそうです(詳細失念)
初咲さんは11月3日に神田明神でライブ、11月13〜17お芝居
永瀬さんは11月11〜20日、A級小倉に出演。
(後半のお二人はツイッター等で確認済み)
そしてモリケンこと森健太郎さんは明日が艶絵巻ラストステージ。
なお艶絵巻は今年は今回で終わり、次回は来年1月になるそうです。

- 10/30 13:05
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