闇に沈む場内。本舞台奥の壁に照射された小さくて強いピンスポットが大きく膨らむと‥その光の中に「彼女」が現れる。白を基調にピンクのフリルをたっぷり盛りつけた可愛らしいドレス。スカート部分は前がミニ、後ろがロングな仕様で、足元は白のショートブーツ。曲は「セカオワ」だったろうか。伸びやかで、しっとりした舞いを披露する。やがてドレスのスカート部分を脱いでミニスカワンピース姿に転じ、アイドルテクノポップに乗せて軽快なステップを踏む。再び暗転し‥場内が闇に沈むと、本舞台奥の壁を小さく照らすピンスポットは、今度はステージに佇む彼女の顔のすぐ近くに当てられていて、薄い闇の中、美しい表情を雰囲気たっぷりに魅せてくれる。再び膨らんだ光の中の彼女は、前開きの薄いネグリジェドレス姿。シルバーのハイヒールで静々と花道を進んで来る。ドレスの前をはだけてしっとり丁寧に演じられるベッドショーは、最初ノーポーズで始まり、曲が進むに連れて少しずつポーズを入れ込んでゆくハイブリッド仕様。ポーズの種類&回数こそ控え目なものの、曲の盛り上がるタイミングをピンポイントで上手く捕らえる象徴的な魅せ方が何とも素晴らしい。やがて立ち上がり、客席に背を向けるとドレスの裾を両手で摘まみ上げ、翻しながら花道をゆっくり下がる。本舞台に至るとドレスを摘まむ指先を放し、フワリ‥と裾が落ちるとこのタイミングで「くるり」とターン。身体を切り返し、毛繕い的な柔らかいムーヴでコンパクトに舞い収める。登場時とは逆に、大きく膨らんだピンスポットが小さく収斂し、小さな光の点となり、最後まで残されたその光が彼女の横顔を一瞬‥美しく照らす。そして暗転。何ともいえない「余韻」がステージに残される。(2015-03-16/西川口テアトル)
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- くるりん