関東速報
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●「浅草艶絵巻 1月公演」レポ 

2019年1月16日(水)浅草リトルシアターに行って艶絵巻(1/16〜19)の初日を見てきました。以下簡単に。
劇場に着いたのは開場の7時15分ちょうど。客席には女性客も何人かいて和やかな雰囲気です。7時30分開演。
山口六平氏がステージに出てきて(拍手)ご挨拶。そして、
「今回から趣向を少し変えまして…」と新メンバーに加瀬あゆむさんが加わってダンスを入れる事にしたと話します。
紹介されて加瀬さん笑顔で登場(拍手)。山口氏の話では、この後のダンスは「ブレードラ○ナー」(1982年の米のSF映画。レプリカントと呼ばれる、
人間より強くて美しい人造人間たちが登場する)に拠るもので、それまでのSF映画は明るい未来が定番だったのがこの映画から潮流が変わったとか、その映
画に登場する娼婦レプリカントを加瀬さんに踊ってもらうことにしましたとか。
そのあと2人で今日の演目の紹介。少しして加瀬さんは準備のため先に引っ込み、残った山口氏が写真撮影の禁止や緊急時の避難についてなど諸注意を言っ
て、引っ込みます。
暗転。

1「REPLICANT」荘重で悲愴感のある音楽が流れ、照明がうっすらとつくと、舞台にダンサー衣裳の〜黄緑と桃色の〜加瀬さんが横たわっています。
可憐だが、どこか人間ばなれした、ただならぬ気配。
そして立ち上がり、ダンスになっていきますが、単に未来への警告ということを超えて、心の奥底に響いてくるものがありました。
もっと見たいと思っていると1曲だけで終わります。拍手。
暗転。

2「裏紫」(樋口一葉原作)美樹うらら、森健太郎
鬼束ち○ろの「流○群」が流れ、照明がつくと
美樹うららさん着物姿で椅子に掛けています。可愛い若妻。その横にはやさしい夫(森)。明治時代とは思えないほど
仲の良い夫婦。そこへ妻宛に手紙が届きます。姉が急用だとか。
「行ってやりなさい」と言う夫。
そんなふうに原作に沿って進んでいきます。
不倫をテーマにした一葉の未完作の舞台化で、昨年9月に演じられたものの再演ですが、若妻は更にかわいく、それゆえ心の迷いがより際立った印象です。
そのあと「空に刺さった三○月」に乗ってうららさん着物姿で踊ります。着ているところから脱いでいく姿へ…和服の美。さすがです。拍手。

3「戦争と一人の女」(坂口安吾原作)川合瑞恵(かわいみずえ)
暗転のなか、警戒警報のサイレンの音。そして赤い照明。
その中で白い簡単な衣裳の女が裸足で立っていて
「夜の空襲はすばらしい…」と独白。
昨年5月の、安吾の「戦争と一人の女」「続戦争と一人の女」に
基づく舞台の再演です。
男性遍歴だけでなく、空襲をも美しいと言ってのける精神の自由さ。
一方で夫を愛しているし、燃える家を必死で消し止めようとする面も。
この作品は、戦後73年を経た今だからわかることも、今ではわかりにくくなっていることもあって
なかなか深いです。
このあとすぐ
4オリジナルダンスー加瀬さん再登場。今回は着物姿〜深緑地に桃色模様を散らせた振り袖だったか〜に
赤い帯(と言うよりリボン)で、和傘を持って登場。
椎名○檎の歌に乗って、和洋折衷、ジャポニスムな舞い。
これも1曲だけで終わってしまいました。拍手。

5「妖婦お定」(山口六平脚本)朱魅、森健太郎
昨年11月の再演です。戦後まもなくの浅草。阿部定(あべさだ)事件の本人の阿部定(朱魅)と、彼女を主役に舞台化しようとしている演出家(森)とのコ
ミカルな二人芝居。2人の会話が微妙に噛み合っていないところに、戦前と戦後、男と女、当事者と部外者、等々の違いが浮き彫りになっていきます。一方
で、ズレながらも2人、妙にウマの合うような面もあって。
演出家の(昭和11年(1936)の阿部定事件では同年2月の)「あの226事件も消し飛んでしまいましたね…」
という台詞がなぜか耳に残りました。
そのあと宇崎○童の歌が低く流れ、朱魅さんのダンス。
コミカルな芝居とは打って変わって、しっとりと。拍手。

そのあと6人揃ってカーテンコール。拍手・手拍子。
盛り上がって9時少し前にお開きになりました。
益々パワーアップした浅草艶絵巻、今年も目が離せませんね。

- 01/19 11:06
- 行った人


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