若松劇場
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●目黒あいらさん 2013 8/27 2nd stage

ジャージなのか、スウェットなのか、パーカーなのか‥。その何れにも見えるルーズフィット‥〔グレー×ダークグリーン〕スモック風の衣装に身を纏い、本舞台に佇んでいる。アクセント的に小さくあしらわれたゴールドのアニマル柄ポケット、色違いのカラフルなピンバッジが目を惹く。曲はミディアムテンポのダンスミュージック。ゆらり‥と傾いた身体は次の瞬間、しなやかに横に移動し、ぐにゃり‥と上体が揺らぐ。うねる動きはそのままバネの様に昇華され、前後に弾む様なムーヴに。〔うねる/跳ぶ/うねる/跳ぶ/うねる/跳ぶ‥‥〕前後左右に‥不規則に紡ぎ出される無限ループ。「振り」というよりは「動き」に近い。異世界への扉が静かに開かれる。続く衣装は黒レースのブラトップにブラウン系‥アニマル柄のマキシスカートを合わせて。ブラトップの上からは同じ位の幅の黒いシースルーの布が、僅かに位相をずらして斜めに掛けられている。後に露わになる下半身には黒のTバック。踊りもそうだけど、衣装の「文脈」も他の踊り子さん達とは、何かが違う。強い主張がある訳でもないのに、見ていると何故か心が泡立つ様な‥不思議な感じ。その一種異様な感覚は、続くベッドショーでも見てとれる。曲のタメと振りのタメ‥曲の盛り上がりと決めポーズを切るタイミング‥。これらが同期するステージの流れを「曲に寄り添う」と表現する事が多いのだけど、何というか、その「精度」が明らかに違う。例えば、眼を閉じて曲を聴いているだけで何処で決めポーズが入るのかがハッキリと解り‥耳を塞いでステージを眼で追うだけで曲の盛り上がるポイントを明確に察知する事が出来る‥といった具合。曲とステージの高い次元での同時性(シンクロニシティ)がポーズベッドの時間、終始徹底されているのだ。また、終盤で披露される〔四つん這い+後方片脚突き出し〕は、突き出した脚の膝下を垂直に折り、爪先が天を指す。加えて上体を捻り、片腕を上に伸ばす事でHバランス的なシルエットを描き出している。ブリッジからの片脚上げもピタリと決まって、美しかった‥。最後は「ナンバ歩き」的なテイストでスキップ風に身体を揺らし‥ゆっくりと本舞台へ下がる。振り返って見得を切るその姿に見惚れながらも、何だか、まだ「続き」がある様な‥もどかしい気持ちに襲われる。

彼女のステージには‥どうやら中毒性があるみたいだ。クセになりそう(笑)

- 09/18 16:45
- くるりん


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