新宿ニューアート
[投稿する]
●川村あいねさん 2015-09-14 (4th) stage

くしゅくしゅっとした風合いのピンクのロングドレスは前身頃がミニスカート、後身頃がロングスカートな仕様。これに鍔の広いハットを被り、編み上げの白いロングブーツを合わせている。ノリの良いポップな曲に乗せて披露される伸びやかなダンスは、途中で一旦袖に退き、パールピンクのキャミソールミニドレス&白手袋に転じて以降、より一層アクティブに。どこまでも際限なく昇り詰めてゆく様な‥スケールの大きな舞いで魅了する。

このパートの終盤‥一瞬、曲が止まり、ステージが暗転。と同時に10粒の光の滴が点灯する。うねり、しなり、くねる‥。白手袋の指先に仕込まれた LEDが発光し、変幻自在な光の軌跡に乗せて、躍動する彼女の姿が「闇のキャンバス」に描き出される。

「明」から「暗」。そしてまた「明」に転じ、そこから再びの「暗」へ。「明」⇔「暗」を交互にスイッチして展開するステージは、暗闇に光の軌跡を描くだけではなく、敢えて「可視」の部分を挟む事で観客それぞれのイメージを「残像」として巧く活用している。この「絶品」ダンスパートで存分に魅せつけると、ステージは次の展開へ。

白い燕尾服風のジャケットに身を包み、ステージ右袖から弾かれた様に躍り出る彼女は、暫しのアクティブな舞いの後、本舞台右側に座り込み、身に着けていたアイテムを素早く袖に投げ入れてゆく。立ち上がると白のキャミソールトップ&白のマイクロミニパンツ姿に転じ、どこまでもエスカレートするノンストップ・ダンスへ。美しくシェイプされたアスリート・ボディは疲れる事を知らない。

軽快にステップを踏む彼女の足元を見つめていて、面白い事に気が付いた。編み上げの白いレッグカバーの下は素足‥だったのだけれど、冒頭のダンスパートでは白い編み上げのロングブーツに見えていたこの部分が、実は白い編み上げのレッグカバーと白いスニーカーの「合わせ技」であった‥という趣向が凝らされている。さりげなくこんな工夫‥というかギミックでも魅せてくれる東洋のポップスター「川村あいね」のステージは、いつでも底抜けに明るく‥そして楽しい。

- 04/12 05:40
- くるりん


0.HOME