薄い闇に縁取られたぼうっと明るい本舞台の上で、美しく気高い‥一匹の神獣が舞いを捧げている。
しなやかな肢体に吸い付くシースルーのチャイナドレスに散らされた薄桃色の花弁。ウィッグ風に髪に盛られたオレンジシースルーの布は吹き上がる溶岩の様に色鮮やかで、足元は素足。跳躍し、着地するや否や滑る様な足捌きが右に、左に、踊り子の身体を運んでゆく。
しなり。うねり。切り返し。静寂の中‥微かに聞こえる衣擦れの音をBGMに舞い終わるのと前後して、聞き覚えのある祭囃子がフェードインしてくる。照明が落ちた暗闇に‥野太い声が響き渡る。
「祭り‥じゃぁあぁああいッ」
明るくなる場内。熱く激しい曲が流れる。ステージ上には、祭の文字が描かれた大きな団扇を振りかざす「兄ぃ」の姿。白×オレンジ×黒の半纏。黒のダボパンにオレンジ×黒の捻り鉢巻きをキリリと締めて。インナーはバストトップがギリギリ隠れる程に下乳が露わなデザインの白いチューブトップ。「男よりも男らしい」パワフルな舞いの最中にずり上がり、可愛らしい乳首が露出するのを物ともせずに踊り続け、途中、捻り鉢巻き&半纏を勢い良く脱ぎ去って袖に放り込むと本舞台中央で背中を向ける。尻を突き出す様に立ち、そこから前屈みになると勢い良くダボパンを下げ、荒々しく脱ぎ捨てると左腕を力強く突き上げる。括れた腰。高い位置に張り詰めた丸いヒップ。踊る事で培われた背筋群の美しい翳り。後ろ姿の「格好良さ」に思わず見惚れてしまう。
座り込んで眼前に半纏を掲げ、感慨深げに眺めた後スクッと立ち上がり、大股でズカズカと歩きながら半纏を羽織り直して盆に至り、ベッドショーへ。床に敷いた半纏の上でHバランス〜Kのコンビネーション。その後で設え直し、エア彼女を自らの腕枕に誘うパントマイムへ‥。仁王立ちして下腹を突き出し、口唇で奉仕する彼女の髪を撫でながら悦に入る表情や、抑えながらも力強い腰の動きに何とも言えない「色香」が滲む。
ステージの〆はダンスベッド。パワフルなムーヴとキレキレのポーズ切りが高速で交錯し、これでもか、これでもか‥と畳み掛けてくる。力強く踊りながら盆〜花道〜本舞台へと遡り、スタンドからの前屈&片足の後方蹴り出しで大きな「人」の字を描き出すと曲終わりにシンクロさせて「ダン‥ダダン」と足を踏み鳴らして振り返り、大団扇を振りかざしつつ、艶やかに見得を切ってフィニッシュ!
- 01/12 15:05
- くるりん